全てが汚い
全てが黒い
色を感じないのは
しんだのと同じだな
お題
無色の世界
桜散ると
恋も散る
他校に行った
貴方とともに
お題
桜散る より
日の光が、格子窓からこぼれ落ちてくる朝の日。
見張り役がうっかり落とした小さな羊皮紙の欠片を拾って、love youとだけ書き残し、紙飛行機にする。名を書いたらばれてしまう。
格子窓から手をそっと出し、紙飛行機をサッと投げた。順調に見えた飛行機は、3秒もすれば斜め左下に脱線し、カサッと小さな音をたて、落下した。
「…届くはずが…ないものね。」
何日も飛ばして来たけれど、あの人の元へ飛んでいったものはもはやなく、すぐそこの草原にも届かなかった。もう、あの人に会うのは、無理なのかしら。
地面に落ちた、羊皮紙の紙飛行機は軍隊の列にグシャッと踏みにじられ、拾おうとするものなど誰一人いない。
哀れな飛行機の上を、鳥が静かに飛んでいった。
お題
届かぬ想い
薄濁る、梅雨の雨。
屋上は風が強く吹き荒れ
黒曜石のように、暗く 冷たい。
容赦なく打ち付ける鋭い雨が制服に滲み、じわじわと私を冷やす。
迷いなく足を浮かせる。
宙に傾く体
落ちていく
雨とともに、降り注ぐ
いつの間にか 落ちてたどり着いたのは
なにもない
薄灰色にただ染まっている
遠い空
お題
遠い空へ より
あの人。
私の、…何なのか分からないけど、
あの人は私の…私の…ハツコイ。
中学で三年というのが、あなたで
いっぱいで、
あっというまだった。
あなたは夢を追いかけて遠い学校へ行ってしまう
滑り止めで私のと同じ学校をいれていたのだけれど、第一の他校に無事、受かった。
…受かって、しまった
勇気を出して、卒業式の二週間前の放課後。
放課後にあなたを、よんだ。
「わた…し、あな、たの…こ、と…」
震える足と床しか見えない。静まった廊下の樺の木の床は冷たくて、私の何かをずるずるとすっていく。
今しか、ない。ない、のに…
応援したいけど、なんだか…
もうちょっとで私ともっといた気がして…
応援も…心からできなくて…
言葉にできないの
お題
言葉にできない より