ぺんぎん

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8/14/2022, 10:17:55 AM

君の背中に乗ってもかわいげにすり寄ってはやんないけど
目線が合わない放課後、やっぱそれくらいが丁度いいな
だかだかとでこぼこの坂に揺られて落っこちそうで汗ばんだシャツがけらけらと笑う
沸き上がる町を潜ってただにかりと笑って
みっともない愛を誓う浮かれきった心臓に皮膚ごと触れた

8/13/2022, 11:43:21 AM

空き部屋を錆びついた空き缶がからからと重なって独りでに踊る
頭が徐々に擦り切れてゆく痛みというものだろうか
ちくちくと優しい針で痛めつけられるそんな間抜けな想像をしてみたの
べこべこになった生ぬるい缶のやけに冷えたプルタブに手を掛けて
喉を灼くくらいに甘い甘いシロップを口で分けあっていた頃の
未だに消えない葛藤の色をした寂しさが、鬱陶しく胸を這い回った

8/12/2022, 4:10:49 PM

無造作に与えられた均等な愛情が
内蔵やそこらじゅうをくぐり抜けて心臓にたどりついた後
ここに佇んで、ひとかけらの侘しさを交ぜているような気がしている
それを恨むことすら疎むことすら出来ずに
音という音が乾いた臓器からせりあがって喉あたりで震えて口あたりで止まる
何故だかちいさく啼いたまま身動きのとれず熱に浮かされた蝉が頭を過った
ただ理性も知性もない救いようのない熱を腹立たしく思う

8/9/2022, 3:35:50 PM

見かけは悪くてもがむしゃらに息をする
上手くならない道化の芝居など忘れて君の首もとを喰った
今はロマンも愛情も劣情もなにもいらないから
ただほの暗い部屋でなま温い体温にまみれていたくて
不格好なキスで古傷をちぐはぐだらけで埋めていたくて
きっと骨になっても愛したままでいるから、ねえそんなんでいいでしょう

8/8/2022, 3:04:55 PM

少々盲目な恋に呆気なく追い越されたあとに
溶けきらない猛毒に塗れた姿に笑えた
その造花のくすんだ色を乾いた花びらを綺麗だと言ったの
散り際だけは馬鹿らしいくらい気取っている癖に
飲み干したカップには苦味が残されているだけで
振りかえって中途半端な喪失ばかり、傷は覆い隠しておいて

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