ぺんぎん

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無造作に与えられた均等な愛情が
内蔵やそこらじゅうをくぐり抜けて心臓にたどりついた後
ここに佇んで、ひとかけらの侘しさを交ぜているような気がしている
それを恨むことすら疎むことすら出来ずに
音という音が乾いた臓器からせりあがって喉あたりで震えて口あたりで止まる
何故だかちいさく啼いたまま身動きのとれず熱に浮かされた蝉が頭を過った
ただ理性も知性もない救いようのない熱を腹立たしく思う

8/12/2022, 4:10:49 PM