如月灯

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1/6/2024, 4:25:29 PM

いつまでも一緒にいられると思っていた。
けど一人、また一人とあたしの前から姿を消していった。結局また独り。誰もいない。あの子だけは…なんて希望を抱いても、消えてしまう。
ねえ、アンタが初めてだよ。こんなに長い間あたしと一緒にいてくれたのは。
それなのに、事故に合ってから体の至る所が動かないらしい。このまま怪我が進行してしまえば……
多くは望まない。ただ____
アンタと一緒に生きたい


【君と一緒に】📚

1/5/2024, 11:45:16 AM

窓から外を見ると地面には雪が積もり、空は雲ひとつない晴天だった。昨日の夕方から降っていた雪はどうやら夜中に止んでいたらしい。
冷たい水で顔を洗って歯を磨き、目を覚ます。クローゼットからモコモコ素材の暖かい服を引っ張り出し、それに着替える。
鏡の前に立ち、櫛やヘアクリームなんかを駆使してなんとか暴れまわる髪の毛を抑え込もうとしたが、努力も虚しく私の短い髪は好き放題に跳ねたままだった。私は髪を抑えることを諦め、ヘアピンを付けてマフラーを巻き、外に出た。
晴れているので比較的暖かいがそれでもやはり寒くて、マフラーを鼻下まで上げる。
白い息をひとつ吐き、真っ白の地面を歩き出した。


【冬晴れ】🎼

11/24/2023, 9:56:20 AM

事故に合ったあの日、僕は谷底に突き落とされたような気がした。
少しずつ動かなくなってゆく体が、上へと這い上がり戻る力を奪ってゆく。
日に日に自由が利かなくなる体を見て、明日の朝にはもう完全に動かなくなっているのではないかと思わずにはいられなかった。
あの日から僕はゆっくりと、けれど確実に終わりに落ちているのだ。


【落ちていく】📷

11/17/2023, 9:08:13 AM

アイツが何処かあたしの知らない所に行ってしまう夢を見た。
独りは嫌いだ。世界との繋がりがプツンと切れたように、周りが暗くなる感覚がする。
今も広い部屋に一人で居るが、毎日のように訪ねてくる友人はいるし、定期的にアイツの所に行くようにしている。
けどそれもいつまで続くのか分からない。
ハッ…と息を吐き、ゆっくりと深呼吸をする。
今日はまだ来ていない友人に、置き手紙を残し部屋を後にする。
きっとアイツに会いに行けば、早かったじゃないかとか寂しかったのかいとか、茶々を入れられると分かっていた。
それでも今は、隣に確かな温もりを感じていたい。


【はなればなれ】📚

11/5/2023, 2:40:48 PM

ボクにとってキミは光そのものだった。
明るくはあるが眩しくなくてボクを包みこんでくれる優しい光。
その暖かく柔らかいをボクの穢れた闇で侵してはいけない。
ボクはキミと一緒にいてはいけない。
それでもキミの光がボクの荒んだ心を照らしてくれる限りボクは、ボクでいられるのだろう。


【一筋の光】🏵️

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