#57「優越感、劣等感」
僕が優越感に浸るとしたらなんだろう
自分のことすら分からない僕は
何を誇っていいんだろうか
劣等感だけが募ってゆく
周りと同じかそれ以上の実力が欲しい
周りから役に立てと言われても困るんだ
僕は僕なんだ
君の期待に応えられるほど
僕は有能なんかじゃないよ
#56「これまでずっと」
怖い夢を見た
人が殺されてしまう夢を
これまでずっと私が嫌っていた人が
通り魔によって刺されて死んでしまう場面を
嫌いだから、と人は感情によって悪口を言う
自分の一言で
相手が傷つく
相手が病む
相手が自殺する……
16~18歳頃は
前頭葉に繋がる神経線維が特に発達する
親からの言葉の暴力が
脳のネットワーク構造に重大な影響を与え
子供たちに言葉の暴力を浴びせれば
ストレスに対して弱くなってしまう
その年齢でなくても言葉は人を傷つけ
見えないナイフで抉る
その言葉は本当に傷つかないか
もっと俺らは考えていくべきではなかろうか
#55「1件のLINE」
春休みに入りのんびりと過ごしていた
朝、目が覚めるとLINEが来ていた
LINEを送ってくる人は滅多に居ない
寝ぼけた頭で通知の内容を確認する
そうするとそこには彼氏から来ていた
「今日会えたりする?
会えるならそっちに行く」
私はこれに嫌な予感がした
私が行けば時間もお金も節約できるのに
そう思ってこのことを彼に伝えてみた
彼は自分がしたいことに置き換える
「ドライブがしたいからいいよ、気にすんな」
-数時間後-
近くのファミレスへ入店
席に着くなり彼は声掛けてきた
「今日は俺が奢るから好きなもの頼みな」
そして悩みに悩んだ末に注文を済ます
そうすると彼は真剣な雰囲気に切り替わる
遂に今日の1番の内容だ、と真剣になる
口から零れたのは愚痴のような別れ話
「俺は藍(らん)との関係があまりいいものだと思ってない
恋人じゃなくて兄妹みたいだ」
話はそこまでしか本に書かれてなかった
このあと彼女たちはどうするのだろうか
この続きは神様以外誰も知らない
#54「目が覚めると」
目が覚めるとそこは、妖精の国だった
沢山の妖精たちが僕の周りを囲っている
8割近くはエルフの姿をしている
残りの2割と言うと人間の様な姿をしている
違うとすれば背中に羽が生えているところだ
妖精たちは僕を不審そうな顔をしている
色々な方向から覗き込む
自分たちへの害があるかどうか
得があるかどうか見極めているような感じだ
害があると判断すれば迷いなく殺しにくる。
きっとそういう種族だ。
きっととんでもない魔法を使ってくる。
そんな偏見を持ちながらも
僕はこの妖精たちと生きていくことにした
#53「街の明かり」
夏の夕暮れ
日の入りの時間は遅くなっても日は沈む
少しずつ灯りが増えていく
人々も仕事が終わりみんな帰宅していく
僕は将来誰と同じの家だろう
同じ軒下に住む人のこと
僕はまだ出会ってなくてもいいから
今からでも知りたい