雑誌のページをめくると載っていた、この秋はsecret love なんていかがでしょう?という特集、そんな漫画や小説の様な展開の恋愛なんて、そうそうにあるわけないのよ、と嗤笑しながら目を通す。
秘密ねぇ、つまるところ周りの誰にも付き合ってるって公言してなければ、secret love になるわけだ。なるほどね、と次のページへ
言い出せなかった「 」は彼の口に飲み込まれてしまった。なんて展開もあるかも!?とか、彼に目でモールス信号を送っちゃえとか、誰もいない教室で彼とドキドキ急接近!?とか、…いやいや、この展開は、まさに物語的よとツッコミを入れる。
雨と君、どちらが私を潤すのか!?って文章を見た時は、流石に笑いを吹き出した。
あと、秘密の恋愛は友達と恋愛トークの仲間になれなくても、彼との愛があれば乗り越えられる!とか書いてあったけど、まぁ、恋すると変な美化フィルターかかって見えるから、数ヵ月は耐えられるだろうけど、喧嘩でもしたら相談できないから、どうなんだろうね。なんて考えながら、変な知識を覚えつつ、休日の暇を潰すことができた。
ページをめくる(9/3)secret love(9/4)言い出せなかった「 」(9/5)信号(9/6)誰もいない教室(9/7)雨と君(9/8)仲間になれなくて(9/9)フィルター(9/10)
9月ですね、素足のままでサンダルを履くことが減ってくるのかなぁと思いつつ、オシャレってなんだと探究する今日この頃です。
さて、暦上では秋でして、食欲には気をつけようと心に決めた矢先に、お店からの秋のキャンペーン報告、さっそく美味しそうである。ここにある、あの商品は魅力的だ。これは、夏草に負けずに立派に育ったサツマイモ様ではないかと、心の中の風景は【食】でいっしょくになってしまった。いけないな、恐るべき秋、もしも私がふたりいたら、殴り合いが始まってしまう誘惑の嵐だ。
聞こえますか、8月31日、午後5時の私よ。
あと数時間後に、秋があなたを魅了してきます。夏服はいつまでとか、服装がどうとか、言ってられません、【食】が全力で誘惑してくるのです。秋のオシャレの前に、服のサイズが変わってしまうかもしれませんので、ストレッチや運動は気づいたらこまめにやりましょうね。
そんなんだったら、夏の忘れ物を探しに夏に戻りたいわ、ですって?安心しろ、暦上は秋でも10月後期まで何故か夏も並走してくるから、食べて、運動して、休んで、読書して、存分に秋(夏)をお楽しみになってください。
素足のままで(8/27)ここにある(8/28)夏草(8/29)心の中の風景は(8/30)ふたり(8/31)8月31日、午後5時(9/1)夏の忘れ物を探しに(9/2)
今、英語の宿題で苦戦している。
問1、【君と飛び立つ】を英語で書きなさい。私は取り敢えずよく分からないから、『yours,I can fly.』と書き込む
※本当は【Flying away with you】である。
問2、【Midnight Blue】和訳しなさい。
め、ミ?ド、なげっと…ブルー。だから、何とか青?知ってるそれっぽいカタカタに変換して
ミード、に…ない、ぐハット…は?なんだこれ?
あっ、なげっと?はナイトか、ってことは夜だから、つまり繋げるとミッドナイトブルーだから、答えは【真夜中の青、ダークネイビー】かな?
ゆっくりと問題を解きながら迷想していると、ゴロゴロと外から音がする。遠雷か、そういえば部屋が少し暗くなった気がするから、雨が降る前なのだろう。見知らぬ街に降る雷と雨、何処かの誰かは洗濯物大丈夫だろうか?そんなことを考えつつ、もう一歩だけ、苦手な英語の宿題を進めるのだった。
君と飛び立つ(8/22)Midnight Blue(8/23)遠雷(8/24)見知らぬ街(8/25)もう一歩だけ、(8/26)
「お前、いっつも8月体調崩してんな」
そんな風に笑いながら君は、いつも私をなんだかんだで不器用なりに看病してくれる。でも、この時の気分の悪い私の感情は、感謝はあるけど通常通りの生活できてる君への嫉妬が出てきて、感情がぐちゃぐちゃで醜く、言葉にならないものになっている。自己嫌悪である。
「…眉間にシワよってんぞ」
親指でぐりぐりと圧される。今日、君が見た景色の話も右から左に聞き流していた…。ごめんと謝罪すると、君は体調が悪いのだから聞き流すくらいでいいし、同じ話でもまた違った角度で聞いてくれれば、お前と話す時間が増えていいと言ってくれた。
君がそんな風に思ってくれてたなんて、思わなかったから、!マークじゃ足りない感情、まさに目から鱗である。遠くの空へ感情ホームラン、また一段と君が好きになってしまった。この高鳴りは、終わらない夏のように火照っている。
「お前、さっきより熱上がってねぇか!?」
どこか慌てた君が、足音を鳴らしながら急いで濡れタオルをつくってくれる。笑いと涙が出てくる。君が濡れタオルで顔を冷やしてくれながら、なぜ泣くの?と聞かれたから私は、君が好きだと再確認したからと答えた。
8月になる度に、君を好きになるから、この思い出はきっと忘れないね。
言葉にならないもの(8/14)君が見た景色(8/15)!マークじゃ足りない感情(8/16)遠くの空へ(8/17)終わらない夏(8/18)足音(8/19)なぜ泣くの?と聞かれたから(8/20)きっと忘れない(8/21)
もぞりと起き上がり欠伸をする、隣からは規則正しい呼吸音。昨日のは夢じゃないんだなと、嬉しさで緩む口を片手で隠しながら口角が自然に上がる。
昨日は、蒸し暑い風を感じてバテそうになるが、駅でおまえの帰りを待っててよかった。目を見開いて、慌てて駆け寄ってくるおまえに、こんなやさしさなんていらないだろうけど、この気温で少しぬるくなってしまった炭酸を渡す。ありがとうと感謝を述べて炭酸を一口飲んだおまえは、何か閃いたようで、コンビニ行って早く帰ろと手を握ってくる。
帰ってから、コンビニで買った氷をグラスに入れ、家にあった緑のかき氷シロップと先程のぬるい炭酸を注ぐ、炭酸で氷が溶けてカラリと鳴る。そのグラスに無理やりアイスを乗せるから、アイスも少し溶けて、かさ増してこぼれてしまう。でも、おまえは慌てながらもこぼれたアイスクリーム見て、これも一つの思い出になるのだと満足そうに笑う。
好きだなって言葉がポツリと口から出る。それを聞いたおまえは、私もだよと顔を近付けてきた…。
これは、真夏の記憶の一部である。
夢じゃない(8/9)風を感じて(8/10)やさしさなんて(8/11)こぼれたアイスクリーム(8/12)真夏の記憶(8/13)