多田野一人

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10/5/2025, 2:56:29 PM

moonlight
夜空にぽっかり浮かんでいるお月様…影が出来る程に明るいのに、太陽の様な、派手さは無い…
青白い光は、優しくて、儚げで、何処かよそよそしい…その妖しい、内に秘めたミステリアスな謎を考えていると…
不意に浮かんだきみの俤…儚い瞳が、今も私の心を離さない…そして、掴みどころのない、きみの胸のうち…
月の光は、ひょっとしたら、奇跡の魔法をかけられそうな雰囲気を纏っていそうで…出来る事なら、きみの心の底を覗いてみたい…

10/4/2025, 2:46:46 PM

今日だけ許して
お願い…今日だけでいいから…一人で過ごさせてほしい…
今は、いや、これから先もずっと、あなたのそばで生きていきたい…
でも、今日だけは、誰とも過ごしたくない…
今日は、アイツの誕生日だから…遠い世界に行ってしまったアイツの…もう、二度と会うことのない、初恋の…
別に、あの頃に戻りたいとか、そういうわけじゃない…今の私があるのは、アイツのおかげだし…ただ、アイツを忘却の彼方になんて渡したくはないから…

10/3/2025, 3:24:25 PM

誰か
高校生の頃、吉田としさんの作品に親しんでいた…その作品の一つに
誰に捧げん
って、コバルト文庫の作品があり、何度も読み返していた…
今で言うオタクだった僕には、勿論、恋愛なんて遠い世界の話で、恋愛小説を読み漁っては、主人公になりきって、妄想に耽っていた…
特にこのタイトルの、「誰か」と言う、まだ見ぬ誰かとの恋を願う主人公に、自分を重ねる事が出来て、何度でも、楽しめた…
今でも、つい、
誰か…
と口癖になっている…その誰かは、今でも特定の誰かじゃなくて…もう、年老いた自分を、鏡で見つめ乍ら、自嘲しながら…

10/2/2025, 2:42:34 PM

遠い足音
なかなか聞こえて来ない…今日も忙しいのかな…
窓の向こう側は、綺麗な茜色から、群青色に変わり、夜の帳が降り始めて来ている…
なのに、あの人の足音が聞こえて来ない…近所の人の足音ばかりが、響いている…
テーブルの上には、夕食の準備もしているのに…さっき点けた灯りが、白々と照らしている向かい合った食器が、なんだか、よそよそしい…
本当は、わかってる…あなたの足音が、聞こえ無いこと…屹度あなたは、私の事を憶えてなんていないだろう…でも、それでも、このテーブルで、向かい会う姿を妄想している…だから…聞こえない足音を待ち続けて…

10/1/2025, 2:27:10 PM

秋の訪れ
公園の一角にある雑木林に行ってみると、毬栗や団栗が何処そこ落ちている…
昼間は、まだ残暑も厳しく、夏日の様な気温の日もある…
でも、朝晩は、だいぶ涼しくなってきた…夏の残像も、段々と透明になりつつある…
風も涼しくなり、何処か寂寥を帯びて来ているように感じる…秋の、鮮やかな色彩の中に、哀愁を秘めたこの感覚…秋は…

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