旅は続く
終着駅は何処になるんだろう…私の乗った、専用の人生って言う名の機関車…
気が付いた時には、もう出発していて、乗り換えなんて効かない…途中下車も、何度となく試みたけれど出来なくて…
周りの列車は、快速や超特急ばかりで、私の機関車は、どんどん置いてけぼりになってしまう…他人の後ろ姿を遠くに見ながら、ポンコツを騙し騙し進めるしかなくて…
それでも、まだ、終着駅迄の距離が見えない…目の前には、靄がかかり、見通しが効かないから…
モノクロ
机の上の写真立てにある、古い写真…モノクロで、陽にあたり、色褪せて、余計に時の過ぎた事を感じさせる…
古い木造校舎の前で、皆んなで撮った卒業式後の送迎会のスナップ…
密かに想いを寄せていた君は、ちょっと緊張気味で、張り付いた笑顔…結局、あれから、一度も会う事もなくて…
今は、何処でどうしているのか、何も分からない…多分、幸せな家庭を築いて、穏やかに過ごしているだろう…
もしも、その相方が、わたしだったなら…そう叶わない想いを、未だに引きずっている…
永遠なんて、ないけれど
この世の中、ずっと変わらないことなんて無いこと、ちゃんと分かっている…街並みも、段々変わっているし、自分だって、年をとって、子供の頃とは、だいぶ変わってしまっている…
古典で習った、方丈記や奥の細道等でも、変わる営みや、栄枯盛衰も今なら、はっきり分かる…
けど、あなたとの出逢いは、永遠だって信じたい…いつか、どちらかが、終の日を迎えるその一瞬迄、永遠に同じ道を歩んでいると、信じたい…
屹度、あなたとわたしは、出逢う運命で、同じ時間を歩むパートナーだって、信じている…
涙の理由
バカ…そう言って、ギュッと抱き締めるキミ…何時もそうやって…ずるいよ…なんで、そんなに優しいの…
キミは、何時だって、わたしが一人でいると、優しくハグしてくれる…何も言わずに、バカって一言だけ…
バカって、ムカつく言葉なのに、キミが言うと、あっと言う間に、張り詰めている何かが、溶けてしまう…
わたしの頬を伝う涙を、優しい指先で拭い乍ら、ギュッて…
キミがわたしの涙の理由を探ろうとするけど、本当の理由なんて…今のキミには秘密…
コーヒーが冷めないうちに
漸く熱帯夜から、解放され始め、少し温かい飲み物が欲しくなる頃…
君は、寒がりな僕の為に、熱いコーヒーを淹れてくれたね…心地よい香りが部屋を満たして行くのが、楽しくて…
2人向き合い乍ら、同じコーヒーを飲む…冷めないうちに、君の淹れてくれた美味しいコーヒーを飲もうよ…