ひらり
春先の、まだ冷たい風に、微かに薫る、梅の香り…周りの木々は、枯れ木の様に、寒々とした姿の儘なのに…
東風が吹き始める頃、菅公は、何を思われたのか…小さな花に、何を託されたのか…
風に、ひらり舞う、この花の香りは、春の喜びを運び乍ら、何処か切ない哀しみを帯びている気がする…
誰かしら?
突然、声を掛けられて、振り向いた…そこには、見知らぬ人が立っていた…長い髪を、風に靡かせ乍ら、にこやかに、竚んで…
何処か、懐かしい面影を感じるけれど、他人の空似かも知れない…目尻の垂れ具合、ぷっくりした唇、特徴のある耳たぶ…でも、記憶を辿ってみても、思い出せなくて…
でも、本当に、誰なのか、思い出せないまま、何となく曖昧な笑みを返してみる…
芽吹きのとき
如月の未だ冬のなごりから、弥生の春の薫風が吹き始める頃…
時には、大雪で、真っ白に染まる大地が、数日で、また、茶色の様相に戻り…そんな二面相を繰り返し乍ら、春の足音を待ち続けるこの季節…
この、移ろう時期にも、冬から春への生命のバトンも僅かづつ、確実に受け継がれていく…角ぐむ木々の芽、大地に息吹く野草の芽吹き…
その、小さな積み重ねを、僅かでも、感じていたい、この移ろいの時間…
あの日の温もり
1人ぼっちの、あの夜…誰にも会いたく無くて、夜の公園のベンチで、星空を見ていた…毎日が辛くて、このまま消えてしまいたい…そんなことばかり、考えていた…
そんな私に、優しく声を掛けてくれたあなた…
はい…
一言だけ言って、温かいコーヒーを差し出してきたね…そして、私の手を、優しく包んでくれた…
其れが、凄く嬉しくて、思わず、泪が溢れて…寒い夜なのに、あなたの温もりが、全てを抱きしめてくれたね…
ありがとう
今でも、あの温もり、この手に残っているよ…
cute!
羨ましい…なんで、あの人は、あんなに可愛いのだろう…それに比べて、地味すぎる私…あの人の前では、余計に霞んでしまう…
でも、君への想いは、絶対に譲れない…君だけは、他の誰かになんて、とられたくない…君の隣に並ぶのは、私だから…
あの人の可愛い姿には、追い付けないけれど、この気持ちだけは、絶対に負けない…