小音葉

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2/16/2025, 11:09:24 AM

あなたの望みが叶う時
私はあなたの隣にいたい

囀るように笑い、支え合い、偶には喧嘩もして
かつて奪われた当たり前の片隅で、並び立つ

差し込む朝日に微睡むあなた
たかが布の塊を妬む私を、あなたは微笑んで迎えるのでしょう
昼下がりの珈琲
あなたの想いが込められたクロワッサンを、私は溶け切ってしまうまで味わうのです
月光が照らす窓辺、降り頻る雪が闇を覆っても
あなたは忘れないのでしょう
背負い続けるのでしょう
その涙を拭うことを、細い肩を抱くことを、どうか許してください

なんて、素晴らしい未来
どんな祝福にも勝る約束を、何度夢に見たでしょう
許されざる明日を打ち明けたなら、きっとあなたは抱き締めてくれるけれど

あなたの望みが叶うこと
あなたが当たり前の中へ帰ること
私は願ってやまないのです
亡霊も宿命も、悉くを撃ち落として見せましょう

愛しいあなた、私の太陽
あと少しだけ、どうか隣に居させてください

(時間よ止まれ)

2/15/2025, 11:44:00 AM

迷い子の森
木霊する音は無く、裸足で一人

瘡蓋のような茶の管は霞を縫って
穿つ緑は針

一歩、進む
一歩、進む
立ち止まる
震える吐息に色は無く、裸足に滴る

亡霊のように佇む陽炎のあなた
私を誘う

払暁
黒いあなたが告げる
泥より出ずる朝が来た、と

(君の声がする)

2/14/2025, 10:51:34 AM

澱んで見えた
まるで全てが嘘のよう

歪んで絡むマーブル模様
嘲笑、酩酊
御涙頂戴、観覧席よ
使嗾、煽惑
酔う仮面の群れは、随分、長らく干からびている

嗚呼、素晴らしく美しき世界
最大の師よ、最愛の母よ
あなたが知らしめた
メッキの栄光、泡沫のカーニヴァル

いつか沈む女王よ
あなたが水底へ消え去ろうとも
忘れはしないだろう
真実を塗り潰す、無償の愛へ

(ありがとう)

2/13/2025, 11:20:01 AM

一歩進めば追い付くけれど
その体温が愛しくて、恐ろしくて

わたしを見てほしい
わたしを見ないでほしい

見つけないで
掬い上げて

裂けそうな心を繋ぎ止めるように
右手を胸に

左手をあなたへ
どんな顔をしているのかな
やっぱり少し怖くて
視線をその手に落としたまま

気付かれなければいいと願いながら

不意にあなたが止まる
ああ、間に合わない
ならばせめて

(そっと伝えたい)

2/12/2025, 10:53:05 AM

私たちは絶えず夢想する
夜の帷のその先に

明日の道
満つる光、睨む暈
有り得ざる地獄に微睡む日々を

伝う汗は地図を描く
脈動する赤が運ぶ

私たちは懲りず夢想する
空がこの手に落ちる日を

(未来の記憶)

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