食事はいつも16時40分、苦しみながら僅かな食事を必死に食べるが、食べ過ぎてしまったのではないかと明らかに矛盾する想いを同時に持つ。過去の食べれていた頃の記憶と現在の食べれない記憶が混ざり合い、二つの矛盾した苦しみが重なりあう。誰にも理解されない。解放される為には布団に横になるしかないと、それしか考えられない。そうした苦しみの中に連続した舌打ちの音が響く。癖なのか歯に引っかかっているのか知らないが、その音に駆り立てられるように歯磨きを済ませ、これ以上は耐えられないと午後6時に布団へ潜る。自室のロフトへの梯子を何度も叩いて不満を露わにする。
明日になったら雪原の先へ行かなければ。ガソリンを詰めて図書館へと本を返却しなければならない。想いばかりで身体は運転するには危険だとアラームを発している。こんな生活がいつまで続くのか?雪原は山となっており終わりが見えない。
題『雪原の先へ』
午前3時半、家の近くをジョギングする。冷たい外気は自身に罰を与えるようで心地よい。白い吐息は街灯に照らされ輝き、澄んだ空気が肺を満たした。だが玄関を通り過ぎるとモワッとした空気が肺に流れ込む。普通なら家に入った瞬間に"暖かい"と喜ぶのかもしれないが、独房に戻されたような鬱蒼とした気分になる。
白い吐息が溢れるのは、いつも自宅に戻った時だ。
題『白い吐息』
チロチロと燃えるランタンに憧れるんですよね。まあ映像でそれっぽく見せる商品とかもあるんでしょうけどね、やっぱり本物の火とは違うって感じがするんです。なんていうか心が鎮まる感じ。でも実際試そうとすると色々あるでしょう?家の中で使うなとか危険だとか。ボクはただ炬燵に入って湯たんぽを持って、それでボーっとランタンの火を見ていたいだけなんだけどね。それがいつまでもできなくてモヤモヤして、消えない灯りみたいなんです。やっぱり一人じゃないとしがらみが多くて嫌になるね。
題『消えない灯り』
ドットで描かれた街並みはキラキラ輝いており、魂が、電子音を響かせる小さな画面に、苦しみを置き去りにして吸い込まれる。
ゲーム内のレストランで好きなメニューを注文する。ボクの分身のキャラクターに問いかける。
何のために生きるのか?
"ご飯をおいしく食べれるようになりたいからだ"
今のボクに自由裁量権は無い。だからこそ必死に足掻いて、足掻いて、何度も梯子を登り降りして、人生に喰らいついてるんだ。
苦しみを内蔵したきらめく街並みに一匹の小さな蛍となって溶け合う夢を見た。
題『きらめく街並み』
手紙の中身は赤裸々な内容で誰にも見せない前提で書くからこそ"秘密の手紙"。
普段の笑顔の裏側が詰まってる。
題『秘密の手紙』