REINA

Open App
7/14/2024, 1:23:16 PM

手を取り合って



頂きを目指して登るのは困難だ。
ひとりでそれを目指すと尚更に。


深い霧の中で何度も手探りで光を見つけようとする。
恐怖で身がすくむこともある。

でも戦友とも言うべき同士がいて、
心の余裕が生まれる。

共に手を取り合える者がいるということは、
本当に素晴らしい。

7/12/2024, 12:30:49 PM

これまでずっと


これまでずっと、あなたのことを誤解していた。
ううん。
理解しようとしていなかった。

でも棘のある言葉も、
憎たらしく思った行動も、
全ては私のためだと気付いたのは、
大人になってからだった。


今なら素直に『ありがとう』と言えるかもしれない。
これからはもっと感謝の気持ちを伝えられるかもしれない。

同窓会の葉書が届いた。
友人からの連絡で、あなたも参加すると知った。

今までごめんなさい。
そしてこれからはずっともっと素直な自分になれる。

7/10/2024, 12:42:41 PM

目が覚めると



目が覚めると、彼の腕の中にいた。

(そうか……、昨日…)

と朧気な記憶を辿る。
身体が思うように動かない。

貫かれた鈍い痛みが走る。
でも決して不快ではないその痛み。

(好きな人と結ばれたんだ…)

彼の匂いや温もりに安心感を覚える。
耳を澄ませると彼の鼓動が聴こえた。

やはり夢ではない。
もう少しだけ、まどろんでいたい。
こんな幸せがあったんだと実感したい。

彼の背中に回した腕に少しだけ力を入れる。
彼が目を覚ましたら「おはよう」と言おう。
特別な挨拶だ。
そうして私は再び、眠りについた。

7/9/2024, 12:03:20 PM

私の当たり前


私の当たり前。
それは好きな人を支えること。
好きな人の夢を一緒に叶えること。

お医者さんを目指していた彼。
必然的に私の夢は看護師になった。
そして、彼と一緒の病院で働くの。

そしてそれは叶った。

次は彼のお嫁さんになること。
彼は私のお婿さんになること。

二人の夢は一緒。
私の当たり前。
そして、あなたの当たり前。

7/8/2024, 12:32:50 PM

街の明かり



実家は田舎だから夜になると人通りが少なく、また民家と民家の間にも距離があるため、明かりはまばらだ。
そんな光景も悪くは無かったが、都会に出てきて何年かは実家には帰っていない。
電話は時折りするだけだ。

都会の街中は夜でも煌々としている。
むしろ、昼間の時より一際輝いているが、酔っ払いのサラリーマンの愚痴や、ホストクラブの勧誘の声など騒々しい。

眠らない街、東京とはよく言ったものだ。
初めて上京してきた時には、そのまばゆい光に圧倒された。

だが、孤独だ。
人は大勢いるというのに、どこまで行っても孤独を感じる。

終電を逃した。
走れば間に合うくらいだったが、走るのを拒否した。
何だか、ゆっくりしたい気分だった。

明日は土曜だ。
レイトショーもあれば、ネカフェもある。
一人居酒屋だって構わない。

信号や車のライト、店のネオンなどが段々と滲んで、水彩画のように写し出した。

(泣いているのか?)

自分でも不思議だった。
頬に伝わる涙は、暑さで少し生温かい。

祝日の月曜も入れれば三連休だ。
久しぶりに実家に帰ってみようと思った。

田舎の素朴な街の明かりを久しぶりに見たい。

Next