好きな色
私の好きな色は「青」
私の好きな人のイメージカラーが青だから。
と言っても、私が勝手にイメージカラーを想像しただけ。
学校でトップの成績を誇る秀才の彼。
冷静で落ち着いている感じからしても、
「青」がふさわしいかなと思ったの。
それに私が海が好きだから、空の青と海の青が好きだから。
だからひっそりと青色の小物が増えていくの。
素敵でしょ。
あとはあの人の瞳の色も青色で、とても綺麗なの。
私の好きな色は「青」
とても私の心を安らげてくれる色。
あなたがいたから
あなたがいたから綺麗になろうと思った。
あなたがいたから勉強を真面目に取り組んだ。
あなたがいたから初めて図書館にも通った。
あなたがいたから苦手なスポーツも頑張れた。
あなたがいたから本当の優しさを覚えた。
あなたがいたから会えない寂しさを感じた。
あなたがいたから嫉妬する心を知った。
あなたがいたから笑顔になれた。
あなたがいたから私は自信を持てた。
あなたがいたから愛の強さを誇れた。
あなたがいたから、あなたがいたから。
相合傘
「じゃあ、また明日」
そう言って去っていった彼。
踵を返す時に、彼の右肩が少し濡れていた。
優しい彼のことだから、私が濡れないように傘をさしていてくれたんだと思うと、胸が熱くなり疼いた。
「あ、あのっ」
と思わず大きな声が出た。
彼がくるりと振り返り、不思議そうに首を傾げた。
「あ、ありがとうございます」
そんなありきたりなお礼しか言えなかったけれど、彼はにこりと笑って手を振った。
彼の表情が、声が、仕草がとても好きだ。
またいつか相合傘ができたなら、今度は彼の肩が濡れないように、もう少し近づいても許されるほどの距離感で…
落下
興味が無い振りをしていた。
本当は手にしたいなと思っていたから。
でもどうせ手に取ることはないだろうと思っていたら、
まさに私の掌に吸い込まれるかのように、それは宙を舞った。
徐々に眼前に迫ってくる。
ああ、スローモーションって本当に起こるんだなと冷静に思いながら、でも高鳴る心臓の音が響いていた。
レースのリボン刺繍で束ねられたブーケは、私に向かうのが当たり前のように落下してきた。
トンっと音がした。
私の掌に当たったブーケは、その反動で別な方向へと軌道を変える。
そのブーケを逃すまいと自然と一歩二歩と足が出た。
これでは結婚したいと執着している女のようだ。
そして時はすでに遅く身体が転ぶ体制へとなった。
気づいた時には、知らない男性に抱き止められていた。
どうやら助けてくれたらしい。
周囲の「大丈夫?」の声掛けやら、何となく笑われているような目線を肌で感じながらも、私の目は助けてくれた彼に釘付けになった。
王子様みたいな人って、本当にいるんだと、メルヘンチックな感想が頭をよぎる。
「どうぞ」と手渡されたブーケ。
何となくコレは運命に違いないという警鐘が鳴りやまない。
抱き止められた感覚や、ブーケを渡された時に触れた手を思い出し、私は恋の沼へと落下した。
未来
過去も現在(いま)も未来も、
貴方の瞳に映るのは私でありたい。
そして私の瞳に映るのも貴方でありたい。