REINA

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4/13/2024, 1:35:13 PM

快晴



昨日の土砂降りの雨から一転。
カーテンの隙間から見えた光に吸い寄せられるように窓を開けば、思わず目を細めてしまうほどの青い空だった。


昨日は先輩に告白して振られた。
彼女、やっぱりいたみたい。
そりゃ、そうだよね、かっこいいし。
当たり前かと自分に言い聞かせる。


泣き腫らした瞳に、この青い世界は清々しすぎた。
もう少し感傷に浸りたいのに、どうも世界はそうさせてくれないらしい。


食い気だけはあったらしく、朝ごはんはそれなりに食べた。現金なもんである。
      

玄関を開けると、タイミング良いのか悪いのか、幼なじみと目があった。


私の赤くなっているであろう目をじっと見て、
『あんぱん食うか?』と言ってきた。
先程、朝ごはんを食べた癖に、手があんぱんを欲しがっていた。

失恋で費えた疲労を回復しようとしているのかもしれない。


久しぶりに幼馴染みと一緒に歩いた気がする。
必要以上に話さない、その優しさがありがたかった。


不意に『オレにしとけば』と言われた。
『オレにしとけば』とは?と喉元から出かかった言葉を飲み込んだ。


唐突な告白に私は混乱したが、それでも幼馴染みだから、何となく好意があることは知っていた。


『……いいかも』
吐息と共に言葉を返した。

透き通った青い空を見ていたら、悪くないと考えたからだ。







4/12/2024, 12:56:11 PM

遠くの空へ


逃げ出したい。逃げ出したい。

やっぱり叶わなかった。あの子には。

分かっていたことだけど。

あの人はあの子を選んだんだ。

いや、そもそもあの人には、私の存在すらなかった。

アプローチが必要なのは分かっていたことなのに。

遠くから見つめているだけでは、いつかは負けることも分かっていたことなのに。

今は、がむしゃらに走ることしかできない。

流れる涙が羽になって、どこか遠くの空へと舞い上がればいいのに。

4/11/2024, 1:04:11 PM

言葉にできない


たった4文字の言葉なのに。
世の付き合っている子たちは、どういう感じで自分の想いを伝えたのだろう。

到底、私には出来そうにない。
日記に『好きです』と書くだけでも、恥ずかしいのに。

あなたから言ってくれたら、どんなに嬉しいことか。
でもそれは望み薄だ。

自分から勇気を出さなければ、
一生想いは伝わらないのだろう。

鏡の中の私が口を紡ぐ。
『す・き・で・す』

ゆっくりと唇を動かしたものの、
きちんと言葉にできない。

4/10/2024, 1:07:34 PM

春爛漫


桜の季節になると思い出す。
あの日、彼女から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と同じように、
彼女の頬は薄く染まっていた。

あの時の僕は、その期待に応えることができなかった。
『友達』という枠から先に進むことが怖かったのかもしれない。


桜の季節なると思い出す。
あの日、彼から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と重なって、
彼は凛とした声で答えた。

一年越しに発せられた彼からの気持ち。
去年は悲しみに頬を濡らしたけれど、今は違う。

ようやく2人の気持ちが交わった。
来年もこの桜の景色を2人で見たいと思う。





4/9/2024, 1:31:51 PM

誰よりも、ずっと


誰よりも、ずっととどめておきたい。

本当は大事に大事に閉まっておきたいくらいだけど、
彼女は蝶のように、好きなところへ舞っていくから。

そんな自由な君が好きでたまらないけれど、
せめてオレが見ている範囲で飛んでくれ。

別な花なんかには目はくれないで。
誰よりも、ずっとオレだけを見てくれ。

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