これからも、ずっと
これからも、ずっと変わらない。
この景色。
早朝に2人で歩いた砂浜。
爽やかな潮風と、柔らかい陽の光。
穏やかな波の音に反して、
私の鼓動が急く。
少し汗ばんだ手がどうにも心地いい。
小さな頃から変わらない、その優しさ。
これからも、ずっと。
沈む夕日
楽しい時も悲しい時も、決まって私は海に来る。
『好きです。付き合って下さい』
『うん、分かった。いいよ』
隠れていたから告白していた女の子の顔は分からなかったけど、先を越されてしまった。
告白する前から私は振られたのだ。
部活は、正直サボった。
さすがに出る気にはなれなかった。
走るのは得意だから、一気に海まで駆け抜けた。
砂浜がほんのり暑い。
もうすぐ夕日が沈む頃だ。
沈んだら思いっきり泣こう。
夜の海に甘えさせてもらおう。
君の目を見つめると
君の細い指に触れた。
君が見上げる。
君の目を見つめると、
君が微笑んだ。
君の瞳には僕が映っている。
君が僕に近づく。
君の香りがした。
君が僕の頬に触れた。
星空の下で
星空の下で、君と一緒に過ごしたい。
都会の星空なんかじゃなく、僕の故郷の煌々と輝く星空の下で。
君は都会派育ちだから、最初は慣れないかもしれないけれど、僕の故郷は人が優しい。
だからきっと大丈夫。
輝く星の光の導きで、僕らはこれからも光輝く。
それでいい
『……ごめん』
そう僕が言うと、彼女の頬に涙が伝った。
泣かれるのは好きじゃない。
どうしていいか分からない。
でも、僕は僕なりに今の正直な気持ちを伝えた。
今は勉強に集中したい。
彼女のことは嫌いじゃないけれど、
でも異性としての『好き』かと問われれば、
よく分からないところが本音だ。
付き合ってみれば以外と好きになるのかもしれない。
そうだとしても、中途半端な感じになりそうで、
それは彼女に申し訳が立たない。
だからもう一度。
『…ごめん』
そう、それでいいんだ。