1つだけ
1つだけ願いが叶うとしたら、みんなは何を願う?
仕事で大成したい。
夢を成就したい。
健康でいたい。
お金が欲しい。
綺麗になりたい。
恋人が欲しい。
たくさんの願いがあって、どれも選べないよね。
そんな欲張りな私は……
『努力したことが必ず報われるように』かな。
これなら無敵じゃない?
ステキな私になれますように。
大切なもの
私にとって一番大切なものは、あなたじゃない。
わたしです。
エイプリルフール
今日で何度目だろう。
『本当はキライだよ』と言って騙されるのは。
他愛無い嘘だと分かっていても、限度があるよ。
僕の心もいい加減に限界なんだ。
君の口から、例えウソだとしても、
『嫌い』という言葉が出てくるのは、
あまりにも耐えられない。
『やっぱり好きだよ』
ようやく僕の聞きたかった言葉が聞けたのは、24時を回ってからだった。
幸せに
大事な大事な幼なじみと、
大事な大事な親友が結婚した。
出会いから10年。
素直になれなかったり、口喧嘩もしたり、
遠距離になったり、会えない日々が続いたり。
色々とあって、涙を一緒に流して慰めあった夜もあったけど、
こうして白いタキシードとウェディングドレスに身を包んだ2人の姿を見ていたら、本当にこの2人と出会えて良かったと思ったんだよ。
幸せにね。
そしてこれからも2人の家にお邪魔するよ。
大切な幼なじみと親友だからね。
何気ないふり
彼女はモテる。
まぁ、モテないわけはないだろうと思った。
世間一般でいう『かわいい』という部類に入ると思うからだ。
だから彼女の周りに、男がいても何とも思わない
……はずだった。
親友と呼べる男が、彼女と並んで歩いていた時は。
あまり見ない組み合わせだと率直に思った。
でも彼女は何だか楽しそうな顔をして、僕の親友と向かい合っていた。
次の日、それとなく聞いた。
「昨日、街で見かけたんだけど…」
親友が言うには彼女の方から話しかけられたから、相談に乗っていただけだと言われた。
「そう、なんだ」
何気ないふりで言ったつもりが、少しばかり声がうわずったように聴こえた。
相談?
どんなことだろう?
でも、それは彼女のプライバシーに関わることだし、僕が聞く質問でもないし、僕の親友も答えることはしないだろう。
そもそも何故こんなにも、モヤモヤしているんだろうか。
「…なんか、気になるのか?」
と親友から聞かれ、
「別に」
と答えて、何事もないように振る舞った。