REINA

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4/10/2024, 1:07:34 PM

春爛漫


桜の季節になると思い出す。
あの日、彼女から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と同じように、
彼女の頬は薄く染まっていた。

あの時の僕は、その期待に応えることができなかった。
『友達』という枠から先に進むことが怖かったのかもしれない。


桜の季節なると思い出す。
あの日、彼から紡がれた言葉を。
ひらひらと舞い散る桜と重なって、
彼は凛とした声で答えた。

一年越しに発せられた彼からの気持ち。
去年は悲しみに頬を濡らしたけれど、今は違う。

ようやく2人の気持ちが交わった。
来年もこの桜の景色を2人で見たいと思う。





4/9/2024, 1:31:51 PM

誰よりも、ずっと


誰よりも、ずっととどめておきたい。

本当は大事に大事に閉まっておきたいくらいだけど、
彼女は蝶のように、好きなところへ舞っていくから。

そんな自由な君が好きでたまらないけれど、
せめてオレが見ている範囲で飛んでくれ。

別な花なんかには目はくれないで。
誰よりも、ずっとオレだけを見てくれ。

4/8/2024, 12:22:59 PM

これからも、ずっと



これからも、ずっと変わらない。
この景色。


早朝に2人で歩いた砂浜。
爽やかな潮風と、柔らかい陽の光。

穏やかな波の音に反して、
私の鼓動が急く。

少し汗ばんだ手がどうにも心地いい。



小さな頃から変わらない、その優しさ。
これからも、ずっと。

4/7/2024, 12:50:29 PM

沈む夕日
 

楽しい時も悲しい時も、決まって私は海に来る。

 

『好きです。付き合って下さい』
『うん、分かった。いいよ』



隠れていたから告白していた女の子の顔は分からなかったけど、先を越されてしまった。

告白する前から私は振られたのだ。


部活は、正直サボった。
さすがに出る気にはなれなかった。


走るのは得意だから、一気に海まで駆け抜けた。


砂浜がほんのり暑い。
もうすぐ夕日が沈む頃だ。


沈んだら思いっきり泣こう。
夜の海に甘えさせてもらおう。

4/6/2024, 12:34:16 PM

君の目を見つめると



君の細い指に触れた。
君が見上げる。

君の目を見つめると、
君が微笑んだ。

君の瞳には僕が映っている。
君が僕に近づく。

君の香りがした。
君が僕の頬に触れた。

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