あなたに初めて会ったのは、どこだかわからないローカル線の終点だったね。
失恋やら仕事のミスやらなんやらかんやらで、涙が出なくなるほど泣いて崩壊してたの。
誰も声をかける人はいなかった。
そんな私に
「あれ?君も迷子?」
「僕電車苦手でさ、もう何に乗ったらいいのかわかんないだよね。」
笑えない事をひまわりのような笑顔で右手を差しのべながら言ったよね。
すごく嬉しかった。
あの時から私の人生が変わったの。
それまでの私は他人の目を気にしてばかりいたの。日に日に自分がどこか飛んで失くなりそうで怖かった。
私、あなたの笑顔が好きなの。
あなたの笑顔みるためなら頑張れるの。
あなたの笑顔が曇る前にあなたに手を差し出すの。
あなたにもらった笑顔を返したいから。
それが私の幸せ。
「大丈夫だよ!」
「平気、次があるよ!」
「もう、こんなに!?天才だね!」
君の言葉に何度救われたかわからないな。
僕はダメな人間だから、何も出来ない人間だから、
今までいろんな人に迷惑かけてきたよ。
もう、誰もこの世界にいないんじゃないか。
そんなとき、君は僕に手を差しのべてくれたよね。
君はこんなに完璧な人間なのに。
あの瞬間から僕の人生が始まったのかな。
「大丈夫だよ。」
「上手くいかなくたっていいんだよ、あなたのペースでやれば。」
ほら、また君が声をかけてくれる。
君のおかげだよ。僕は今日も幸せだ。
この幸せが逃げないように僕は君の手を離さないんだ。
はじめて観たとき、言葉が出なかった。
まるで心臓が、時が止まったようだった。
草原に座る彼女は僕と同じ人間におもえなかった。
彼女の周りは花が咲き、蝶が舞い、鳥や動物が唄っていた。
太陽が彼女にピンスポットを当てているようだった。
神か天使か乙女か姫かなんだかわからない。
でも、彼女の存在が美しかったんだ。
目が離せなかったんだ。
風の音がする。
心地よい音だ。
子供の頃以来、聴いていない。久しぶりだ。
手に持っていたロープを鞄にしまい、僕が生きてきた唯一の証であるスケッチブックを出した。
まさか、この最後の紙に絵を書くと思わなかった。
僕はまたペンを手に取った。
この瞬間を忘れないように。
知ってたんだ、こうなること。
わかってるよ、君のこと。
大丈夫。無理してないよ。
ほんとにわかってるんだ。
自分の事なんだから、わかってるよ。
大丈夫。僕は僕でいるから。
そうして僕はボロボロになった爪を噛んでしまうんだ。
あなたみたいになりたかったの。
あなたみたいになれると思ったの。
眩しい笑顔
誰にでも手を差しのべるところ
少し天然なところ
運動神経抜群
成績優秀
誰もがあなたを誉めてたわ。
あなたの周りには幸せがいつも溢れていた。
だから、私頑張ったの。
メイクも勉強も。
ダイエットだって頑張ったわ。
流行りのスイーツだって食べたわ。写真も撮った。
SNSだって欠かさずチェックした。
でも、あなたはわかるのね。
あなたには何も隠せないのね。
私を心配してくれるのはあなただけ。
わかっていたの。
太陽は1つで充分。