日常が過ぎゆく今日この頃
私たちの日常も、過ぎてゆく
それを感じると、すこし寂しく思う
私とあなたの時間が、私とみんなの時間が、減っていってるのがわかるから
いつかお別れが来るとわかるこの世界は、よくできていると思う
だって、それがわからなきゃ、今の幸せを感じれないし、別れがやってきた時の寂しさも感じられない
別れが来た後に歩き出せる人も、すぐには歩き出せない人も、たくさんいるけど、立ち上がっても、立ち上がれなくても、それは、別れがあるからこそのこと
それを経験して、強くなる、優しくなる、幸せになる
日常が、過ぎてゆく。いつかは、今すぎている時間が、日常じゃなくて、非日常になる。絶対に、日常との別れは訪れる。
日常が過ぎてゆく、今日この頃。
私は、悔いのないように、生きていきたいと思います。あなたがどうであろうと、今も過ぎてゆく日常の中で、私は生きていきます。
あなたも、日常を、悔いのないように過ごせますように。
好きな本
今回は普通に、紹介したいと思います。
カンザキイオリ「あの夏が飽和する」
この本は、もともとボカロであった、あの夏が飽和する、と言う曲の続編となっております。
まず最初に曲を聴いて、小説を読んでください。
個人的に、1番最後の方の言葉、
「生きて、生きて、生きて、そして死ね!」
と言う言葉が大好きです。
この言葉だけで聞いても、何が何だかわからないと思いますが、小説を全て読むと、わかります。
大きめで、分厚い小説で、少しお高いですが、読む価値は十分にあります。
ぜひ読んでください。
ではでは
なんだろう、なんか、あいまいな空だ
なんていうの?なんかびみょいっていうか
晴れてるとも言えるし、かと言って晴れてるかって聞かれると違う気がするし、
曇り?いや、それも違う、でも、確かに曇ってるような…
あぁ!もう!なんかあいまいっていうか、微妙すぎない!?
もっとはっきりして欲しい!
「…人間も、こんなふうにあいまいなまま生きていくんだろうな…」
隣でぼそりとつぶやく君の言葉は、なぜかチクリと、心に刺さった
それは、自分が曖昧に生きていると、わかっているからだと、遅れて気づく
この世界は、曖昧すぎる。曖昧すぎる故に、いいことも、わるいことも起こる。それは、この世界の揺るがぬルールなのかもしれない。
昔言われた
好き嫌いをなくしなさい、って
だから、それを守ってきた
食べ物も、動物も、天気も、他人も、
全てから好き嫌いをなくした
そのせいだろうか
今は、好きにも、嫌いにもなれず、何もかもに、「無」と言う感情を抱くようになった
好きも嫌いもなくした結果、何も感じなくなってしまったよ
みんなおかしいって言うんだけど、僕にはこれが普通なんだ
この人間には、好きと嫌いと言う感情が、蘇ることはあるのであろうか
それを知るのは、未来を生きる、この人間のみだ
誰にも言えない秘密
それは、君にも言えない秘密
そんな秘密を、胸に抱き、君に別れを告げる
君は止めた、それでも無理やり、あえて嫌われるような言い方で、別れた
「君のことを好きじゃないんだよ。あの時の輝いていた青春はもう、ここにはないんだ。さようなら」
自分でも、伝えるときは辛かった
でも、君を悲しませたくなかった
君が泣いているところは、見たくなかった
愛する人が泣いているのは、見たくないから、お別れをした
「君に、会いたいなぁ…」
白いベッドの上、白い部屋の中で小さくつぶやく
その声は、口につけられた緑色のマスクによってくぐもっている
周りに立つ人達は、家族や親族、友達のみんな
その中に、君の姿はない
それは、自分で選んだ道の、当然の結果だけれど、それでも君に会いたいと願ってしまうのは、ただのわがままで、めいわくだろう
君と別れたあの日、私は病院で、不治の病にかかっていたことを医者から知らされた
私を愛した君だから、私だけを見つめてくれた君だから、私のせいで悲しませたくなかった
私だって、愛していたから、君だけを見つめていたから
君との思い出が蘇る、懐かしくて、キラキラしてて、君への想いが強くなるばかり
視界が滲んで、涙が流れてくる
ガラッ!
と、病室の扉を勢いよく開け、入ってきたのは、
全速力で走ってきたであろう、君だった
私は驚きを隠せずにいると、君が抱きしめて
「なんで言ってくれなかったんだ!僕は、言われなきゃ、伝えてくれなきゃ、わからないって!あれほど言ったのに!」
「…ごめんね…君を、泣かせたく、なかったんだよ…」
私の声は、涙で濡れている、君の声も、涙で濡れているが、私への愛を、はっきりと感じた
「僕も、君を泣かせたくないんだ、君を、君だけを愛しているから、君が泣いているところは見たくないし、君が幸せになっていなきゃ、嫌だ」
「だから、こんな私がいても、幸せじゃないと…」
「バカか!君は、本当にバカだ!」
まさか、ここで罵られるとは思わなかった、私が、「ごめん…」と呟いた瞬間
「いいか!僕は、君が大好きなんだ!愛してるんだ!君が不治の病にかかっていても、君が不器用でも、泣き虫でも、なんでも!」
そこで一息をついて、君は言った
「僕は、君と一緒じゃなきゃ、幸せになれないんだよ」
それは、今の私には、もったいなすぎる言葉だった
君のための幸せだと思っていたけど、それは違かった
そんなひどいことをした私が、それを受ける権利なんて、ないと思った
「君、今、私がこんな言葉受ける権利ないとか思ったでしょ」
なんで、こんな時だけ、私の考えがわかるのだろうか
「君が君である限り、僕は君に愛を注ぐ、そして、君からも愛が帰ってくる、それが、幸せなんだよ。それじゃあ、ダメなのかな…」
私は、さっきよりも、涙を流しながら、首を振る
「いいよ…ごめんね…!私、自分勝手だった…!君の気持ちも知らないで…君を悲しませて…私、最低だ…!」
「いいんだよ、君が謝らなくていい、君の気持ちを聞かなかった、僕が悪いんだ…ごめん、辛い思いをさせて…!」
この時、私は幸せだった
君も幸せだった
私たちは、来世でも一緒になるのだと、そう確信していた