この場所で、君を待つ
周りは静かで、聞こえるのは、離れた道路を走る車のエンジン音
近くの草木が、風でそよそよと揺れている
少しづつ春を含み始めた陽の光が、窓から差し込んで、僕の体を温める
人の気配など感じられない、静かな一時
少し開いている待合室の扉から、風に乗って空気が流れ込む
春を感じていたが、まだまだ寒い
ポケットに手を突っ込んで、君を想う
もし、私の願いが叶うのなら、過去に戻って、やり直させて欲しい
もし、神様に思いが届くのなら、タイムマシーンに乗せて欲しい
私が大好きな彼と、また生きるために
あんな、冷たい私を押し除けて、ちゃんと向き合って、想いを伝えられる私で、彼と話したい
なんであの時、ちゃんと話さなかったんだろう
いつも通り、帰ってきて、ごめんねって言えると思ってた
いつも最初に謝ってくれる君に甘えて
喧嘩して出ていってしまった彼に何も言わず
帰ってきたら仲直りできると思ってた
でも、なんで
なんで彼が出てった時に引き止めなかったんだろう
あそこで、「待って」って、たった一言言えば、彼は止まってくれただろうに
その一言が言えなかっただけで、彼は帰ってこなかった
だから、神様、仏様、科学者様
タイムワープでもいい
タイムマシーンでもいい
私をあの時に戻してください
海の底には、何があると思う?
海底火山、海溝、名も知らぬ生き物、生物の死骸、沈没船なんてのもいいね
え?なんでこんなこと聞くのかって?
別に、理由なんてないよ
ただ聞きたかっただけ
でもさ、こういう、どうでもいいようなことを考えて、誰かと話すのも悪くないんじゃない?
こうした、どうでもいいことを考える時間が、今の僕たちには大切なのかもしれないね
で、君は海底に何があると思う?
最近は、スマホを見て、「美しい」という感情を抱くことがほとんどだ
動画アプリで流れてきた、綺麗な写真や映像
旅行へ出かけた時に撮った絶景
人の描いたイラスト
スマホを通して、美しいものを見ていることが多いだろう
それもいい。美しいと感じることが美しいのだから。
しかし、スマホから目を離して、目の前に広がる景色を眺めてみてはどうだろう
スマホと比べたら、つまらなかったり、こわかったりする
でも、その中から美しさを感じるのも、いいものだ
自らの目で、実際のものを見て感じる美しさも、スマホを通して感じる美しさとはまた違う
名も知らぬ青い山が白い帽子をかぶっている
どこかの家から、子供の笑い声がする
どこかで土手を燃やしているのだろうか、白煙が上がっている
どこからか、カレーの香りが香ってくる
冷たい風が、頬を撫でていく
そうした、自然や人間の美しさも、悪くはない
そんな、日常の中から美しさを探すことですら、美しいのだから
人は、自然は、全てが美しいのだから
ずっとこのまま、この関係が続けばいいのに
このままの関係で
このままの距離で
このままの気持ちで
あなたといられたらいいのに
あなたと私は、別々の道へ進む
だから、離れ離れになってしまう
遠距離でもいいよ
私が会いに行くから、あなたも会いに来てよ
ずっと私を好きでいて、私に好きって言ってよ
本当に、もう終わりにしてしまうの…?
ひどいよ
君も、私も