「…であるからして、この式が…」
先生の低い声がかすかに耳に届く
のそりと顔を持ち上げると、数学の授業中だった
気づいたら寝ていたようだ
ふぁ、と、控えめにあくびをして、残っている眠気を感じながら、それらを体から追い出すべく、ぐっとひとつ伸びをする
少しスッキリした体で、晴れた外を眺めながら、ぼんやりと授業を聞く
今日の外も暑そうだが、エアコンがきいた部屋は、ひんやりと冷たい、少し寒いくらいだ
なんだか、いつもより体が軽いし、世界も綺麗に見える
ちょっとだけ、がんばろ、とか思っていたら、頭に衝撃を感じた
びっくりして体を起こす
「こらー、寝てるんじゃないぞー」
周りのクラスメイトがくすくす笑っている
どうやら先ほどまでのは、夢だったようで、社会の先生が僕の頭を小突いた衝撃だったらしい
たしかに、今日は曇りだったし、僕の席は外の景色が見える窓際の席じゃない
なんだよ、と思いながら、伸びをひとつ
夢の中のように、スッキリしていない体でペンを持つ
所詮、夢は夢か
現実とは違うんだな、なんて考えながら、先生が話す開国の話をぼんやりと聞いた
7/17/2025, 6:54:24 AM