冬華(トウカ)

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6/5/2024, 11:04:41 PM

誰にも言えない秘密
それは、君にも言えない秘密
そんな秘密を、胸に抱き、君に別れを告げる
君は止めた、それでも無理やり、あえて嫌われるような言い方で、別れた
「君のことを好きじゃないんだよ。あの時の輝いていた青春はもう、ここにはないんだ。さようなら」
自分でも、伝えるときは辛かった
でも、君を悲しませたくなかった
君が泣いているところは、見たくなかった
愛する人が泣いているのは、見たくないから、お別れをした


「君に、会いたいなぁ…」
白いベッドの上、白い部屋の中で小さくつぶやく
その声は、口につけられた緑色のマスクによってくぐもっている
周りに立つ人達は、家族や親族、友達のみんな
その中に、君の姿はない
それは、自分で選んだ道の、当然の結果だけれど、それでも君に会いたいと願ってしまうのは、ただのわがままで、めいわくだろう
君と別れたあの日、私は病院で、不治の病にかかっていたことを医者から知らされた
私を愛した君だから、私だけを見つめてくれた君だから、私のせいで悲しませたくなかった
私だって、愛していたから、君だけを見つめていたから
君との思い出が蘇る、懐かしくて、キラキラしてて、君への想いが強くなるばかり
視界が滲んで、涙が流れてくる

ガラッ!

と、病室の扉を勢いよく開け、入ってきたのは、
全速力で走ってきたであろう、君だった
私は驚きを隠せずにいると、君が抱きしめて
「なんで言ってくれなかったんだ!僕は、言われなきゃ、伝えてくれなきゃ、わからないって!あれほど言ったのに!」
「…ごめんね…君を、泣かせたく、なかったんだよ…」
私の声は、涙で濡れている、君の声も、涙で濡れているが、私への愛を、はっきりと感じた
「僕も、君を泣かせたくないんだ、君を、君だけを愛しているから、君が泣いているところは見たくないし、君が幸せになっていなきゃ、嫌だ」
「だから、こんな私がいても、幸せじゃないと…」

「バカか!君は、本当にバカだ!」
まさか、ここで罵られるとは思わなかった、私が、「ごめん…」と呟いた瞬間
「いいか!僕は、君が大好きなんだ!愛してるんだ!君が不治の病にかかっていても、君が不器用でも、泣き虫でも、なんでも!」
そこで一息をついて、君は言った
「僕は、君と一緒じゃなきゃ、幸せになれないんだよ」
それは、今の私には、もったいなすぎる言葉だった
君のための幸せだと思っていたけど、それは違かった
そんなひどいことをした私が、それを受ける権利なんて、ないと思った
「君、今、私がこんな言葉受ける権利ないとか思ったでしょ」
なんで、こんな時だけ、私の考えがわかるのだろうか
「君が君である限り、僕は君に愛を注ぐ、そして、君からも愛が帰ってくる、それが、幸せなんだよ。それじゃあ、ダメなのかな…」
私は、さっきよりも、涙を流しながら、首を振る
「いいよ…ごめんね…!私、自分勝手だった…!君の気持ちも知らないで…君を悲しませて…私、最低だ…!」
「いいんだよ、君が謝らなくていい、君の気持ちを聞かなかった、僕が悪いんだ…ごめん、辛い思いをさせて…!」
この時、私は幸せだった
君も幸せだった
私たちは、来世でも一緒になるのだと、そう確信していた

6/3/2024, 10:31:40 PM

わたしは、恋を失った
たいせつで、だいすきなあなたを、失った
あなたのかわりなんて、もういないのに
あなたはあなただけなのに

ねぇ、なんでいなくなってしまったの?
わたしをおいていかないでよ
ひどいよ、あんまりだよ

泥棒猫なんかにたぶらかされて
わたしよりも、すりよってきた猫の方がかわいいのね

ふーん、へぇー、そうなんだー

ゆるさないから。

5/30/2024, 9:24:30 AM

「ごめんね」
私の耳に届いたのは、私が1番欲しくない言葉だった
君の口から、その言葉が出てきた時、胸が苦しくなって、ぎゅっとなって、なんだかわからないけど、苦しくなる
私の目からは、涙が溢れるばかりで、君をまた困らせてしまう
「ごめんね、ごめん、ごめんよ」
君の目からも、涙が流れる
そんな顔、しないでよ
大好きな人の泣き顔なんて、見たくないから
君は泣かずに、振り返らずに、前を向けばよかったのに
やっぱり優しいから、その優しさが、私を苦しませることも知らずに、優しくしてしまう

「ごめんね…」「ごめん…」

2人だけの、悲しい空気
楽しくて、短いあの頃の時間とは違って、今は、長い長い時間、
お互いがお互いのために動けなかった自分を咎める時間
お互いが、相手だけじゃなくて、自分のことも考えて動けなかった自分に、戒めをする時間

ごめんね

5/29/2024, 7:34:41 AM

半袖から覗く、白い肌
暑い日差しを反射させて、きらきらとしている
それは、とても魅惑的で、私の思考を鈍らせる

それを見ていると、くらくらしてきて、ぼーっとしてきて、何も考えられなくなる
くるりと振り向く時に揺れる、ポニーテール
綺麗な黒髪がふわりと揺れて、その奥に覗く真っ白なうなじ
なんだかえっちで、ドキドキする

横を通り過ぎると、君から香る君の匂い
振り返って、少し高い君の顔を見ると、君もこちらを見つめてる
白い指を口元に、しーっの合図
そして最後にウィンクを一つ
それは毎晩私を見る目で、ぞくぞくっと、何かが背中をつたう

この学校には、私のような凡人と、高嶺の花の生徒会長が付き合っていること、さらには、あつい夜を過ごしていることを知る人は、私と、生徒会長以外、いない

今夜はどんな声でないてくれるのか、想像しただけでゾクゾクしてしまう

暑い空気に、ハアッと暑い息を吐く、
夏だというのに、吐いた息は、君の白い肌のように白かった

5/25/2024, 7:22:39 AM

あの頃の私へ
これを見ている私。今の君は、さぞ苦しいだろう。
自分の夢ができて、今まで感じたことがないくらい、その夢の道へ進みたいという、強い欲求がある。
その夢のことを考えるとき、ワクワクして、ドキドキして、でも心の半分くらい不安で、でも高揚感であふれている。よくわからないグチャグチャした気持ちになる。

自分の夢を見つけたんだ。それはいいことだと。素晴らしい。
しかし、その夢を否定されることが怖くて、いとも簡単に切り捨てられることが怖くて、周りの人に言えない。
わかるよ。私だから。隠していれば楽だから。否定される苦しみよりかは、まだいいから。

でも。それで自分を変えられるのか?そのままで、自分の未来は変わるのか?

厳しいことを言う。黙ってても、隠してても、自分の夢なんて叶いこっちゃない。叶うはずもない。他の人に言ってもらっても、それじゃあ自分の夢を叶えても、楽しくなんてない。

今、お前が言わなくてどうする?その気持ちを持ってるのは、お前だけだ。周りがどうこう、じゃないんだよ。お前が、お前しか決められないんだよ。お前しか、言えないんだよ。

今の私は、後悔してる。苦しんでる。泣いてる。死にたくなってる。過去の私を、憎んでる。
そうなってほしくない。お前が歩む未来は、明るいものであって欲しい。たった1人の、私だから、過去の私に、わかって欲しい。

最後に一つ。お前は、お前だ。この世界に、唯一無二の存在。合わなくて、否定されることだってある。気に入られなくて、切り捨てられることも山ほどある。
でも、それは当たり前。その傷が痛いものだってわかってる。痛くて、苦しくて、泣きたくて、うずくまって。それでいいんだよ。
その中で、どう立ち上がって、どう進むか。どう立ち向かって、どう進んでいくか。それを決めるのは、お前だけだ。
お前が今過ごしている時間、その時間が過去になってから、後悔することになってほしくないから。言え。大変なことだ。自分の本当のことを言うのは。でも、言わなきゃ、変わらないぞ。自分の決意を、夢を、目標を。主張しろ、自分自身を。今のお前を。

頑張れよ。


あとがき
長くなりました。今回は、「今の私から今の私」と、「未来の私から今の私」の、二つの意味を込めて書きました。
今を生きる皆さん、今を苦しんでいる皆さん、今を苦しんでいる私へ。
夢は、目標は、やりたいことは、意見は、その人自身の、唯一無二のもの。胸を張って、主張してください。否定されても、切り捨てられてもいいんです。それが自分だから。どうか、諦めないで欲しい。
頑張れ。

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