花束
『君に花束をあげようと思う
でも、漫画とか、アニメとか、小説とかに出てくる、
「100本のバラ」とか、そんな大きいもんじゃない
そんなん、お金かかるし、どこに飾るの?って話だからね
ってか、あの花束もらった人って、どこに飾ってんのかなって、本当に思うんだよね
不思議だな
こんな話してたらずっと終わらないから、今回は終わり
また今度話そうな
それで、俺があげるのは、この手紙と一緒に置いてある、一本のバラ。それが、俺からの花束。
花束?って思うかもしれない。でも、俺からの気持ちは、100本分だから。十分だと思ってな。
受け取ってください。俺からの、最初で最後の、本気の思いだ。』
「なんでよ…」
ある少女の前には、一本のドライフラワーと、手紙の入っていた封筒。そして、ある男が、横たわっていた。
にこにこ、にっこり。
君の笑顔は、僕の太陽。
その暖かさは、太陽も超える。心地いい暖かさ。
その笑顔に、何度救われたか。
君は「何もしてないよ」って、笑って言ってた。
でも、君が笑っていてくれることが、僕にとっては救いだった。
僕は、君の救いになれていたかな?いや、たぶんなれてないね。
だって、君はもういないんだから。救えていたら、まだ君はいると思う。
でも、君の手紙には、「ありがとう」っていう、一言が。
なんで。だって、僕は、「何もしてないよ」
どこにも書けないこと
どこにも書けないこと。そりゃ、ここにも書くわけないよ。だって、どこにも書けないことだから。
そんなわざわざ、人の目に晒されるこのアプリにも、日記にだって、書けるわけないよ。どこにも書けないんだし。
いや、いくら頼まれたって、書けるわけない。書かないったら、書かないよ。
…「あなたが好き」だなんて、どこにも書けないし…
時計の針は、静かな部屋の中に、一定のリズムで演奏を響かせている。
カチ、コチ、カチ、コチ…
この、音が心地いい。気がつくと、時計の針は午後8時半をさしている。
1時間は聴いていた。この演奏は、止まることはないと、信じていた。
ある日、演奏を聴こうと思い、ソファに寝転がる。
…、…、…、
あれ…?音が…
君も、突然いなくなってしまうのか。あの人と同じように。人も、君も、信じていると裏切って。
…いや、こっちが勝手に信じてるだけで、そっちには迷惑なのかな。わたしが、酷いことしてるのか。
君たちは、何も悪くないもんね。そうだよね。悪いのは、全部、全部。全部全部ぜんぶぜんぶ。
わたしだよね。
溢れる気持ち
好き、好き、すき、スキ、「好き、好き、すき。」
わたしの溢れる気持ち、抑えられない。
あぁ、あぁ、大好き、本当に大好き。一緒にいたい、一緒になりたい。
あぁ、ダメだ。君が嫌がるのに、君が拒絶するのに、わたしの気持ちは暴れてる。もう、ダメ。わたしの気持ちは、おさまることを知らない。
「ねぇ…いっしょに、なろ…?」
「…!…!」
「アハハハ!嬉しい!いっしょになって、くれるんだね!」
君も、おんなじ気持ちだって!じゃあ、行こうか!
わたしは君と、5階の窓から飛び立った。
「アイシテル」
グシャ