アクリル

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4/5/2023, 2:40:41 PM

星空の下で


墨を撒いたような視界と
ランタンのようなあなたの声

ねぇ、空に逃げようか。
月が太陽に変わるまで。

あなたの灯で
一歩先が少し明るくなったよ

私たちは立ち上がって手を繋いだ。
お守りに、とあなたが付けてくれた
耳元の小さな鈴が鳴った。

今夜、2人で探す生き先は。

4/1/2023, 12:19:22 PM

エイプリルフール


この痛みを悟られたくない
認めたくない
こんなにあなたに惹かれてしまっていること

「全然興味ないよ」

強がって、あなたとの縁を守りたくて

私は不本意に嘘をつく。

3/28/2023, 3:44:53 PM

見つめられると


横に座るあなたを
どうしようもなく大事に思った。

あなたは綺麗な目で
あたたかい声で
心地のいいテンポで言葉を紡いでいく

ある時、私たちは同じタイミングで笑った。
本当、楽しいよ。って
あなたはこちらをまっすぐに見て笑った

私は今、好意を学んでいる。
私は今、あなたを知ろうとしている。
毎秒、あなたを愛そうとしている。

3/22/2023, 1:22:06 PM

バカみたい


吐き捨てた時
不信用の痛みが心臓に広がった。

2度とお前なんかと話さない
今後一切目の前に現れるな

こんなに必死になって
お互いを繋ごうとしていただなんて。

申し訳なかったよ。
もう遅いけれど、できることなら...

あなたと上手くやりたかった。



3/18/2023, 2:01:36 PM

不条理


午後九時半。
見慣れた帰路の、古くさい繁華街を抜けた時、ふと言葉にならない何かを悟った。

合皮の剥がれた靴で向かうのは、ビルの影に建つアパート。

日に日に自分が消えていく恐怖。
毎朝起き上がった瞬間、心の何かが削れていくような感覚に、もう耐えられないと思った。

今日もわずかな金を握りしめて生き延びた。それだけだった。

僕は自室のドアで立ち尽くした。
錆びた鍵穴を前に、妙に生暖かいものが数滴垂れた。

頭の中で誰かの声がする。
僕の声だ。

「どうして」
「もう取り返せない」
「生い立ちを恨んで」
「捨てられないように」
「努力をしろ」

もういいや。

僕はスマホを取り出し、連絡先からあの人を探した。
そして、電話をかけた。


「あの、今夜、連れて行ってもらえますか」

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