すずめのお宿から小さい箱を持ち帰ってきたおじいさんを見て、すずめに意地悪したおばあさんもすずめのお宿を訪ねました。
そして帰りにお土産を要求し出されたのはおじいさんが持ち帰ってきた物と同じ箱1つで、仕方なく持ち帰り早速開けてみると…
「なんだいこりゃ?取っ手付きの湯呑み?」
「ばあさんや、湯呑みじゃのうてマグカップっていう物だと」
「マグ?湯呑みじゃろ?」
マグカップの側面には、すずめのお宿のロゴマークとすずめの顔が焼き付けられており、熱いお茶を入れても取っ手のおかげで持ちやすく使い勝手は良さそうです。
その後もおじいさんとおばあさんは、マグカップでお茶を飲むのでした。
(マグカップ)
舌切り雀のオマージュ、すずめのお宿公式マグカップ¥3300+税欲しいわ。
もしも君がこのガラスの靴を履けるとして…えっと、その、大変言いにくいんだが…あの、だな、
歯切れ悪くそう切り出された言葉に、その後に続く言葉は予想できた。
本当に申し訳ないのだが…城への招待は、その、なかったことに…だな?して貰えないだろうか?
ああ、やっぱりそうだ。私の体型だろうか?顔だろうか?どちらの理由だろう?
さすがに、あの、こんな事を言っていいのか分からないが…本当に失礼なのはわかっているが…
結局、ガラスの靴はサイズが合わなくてただ蔑まされただけだった。
(もしも君が)
シンデレラのオマージュ、国民女性全員に訪ねてるからこういう場面もあっただろう。
「アポカリプティックサウンド」(apocalyptic sound)とは、日本語で「終末の音」「黙示録の音」と訳される言葉です。聖書の黙示録に描かれているように、世界終末を象徴するような、ラッパのような大きな音や、恐怖や災難を暗示するような音を指します。
より具体的に説明すると「ヨハネの黙示録」には、7つのラッパが吹き鳴らされ、それぞれが災厄や終末を呼び起こすという記述があります。
「アポカリプティックサウンド」は、この「黙示録」のラッパの音、またはそれを模倣したような音を指し、世界終末を暗示するような、不吉な音として認識されています。
天使君はそう書かれた書物を読みながらうんうんと頷き、その記述をメモしていきます。
が、「7つのラッパが吹き鳴らされ」というところでその筆が止まりました。
「ラッパ?」
そして自分の首から吊るされた物を手に取り見ます。
それはどこからどう見てもサンバホイッスルなのです。
軽く咥えて息を吹くと
『ぴーぴーぴぴーぴーぴーぴぴーぴーーーー』
と軽快な音を出します。
どう聞いても終末の音には思えません。
ですが、ちょっと楽しいメロディで吹かれた天使君だけのメロディは地上にほんのちょっと災厄をもたらしたのでした。
(君だけのメロディ)
実際のアポカリプティックサウンドはYouTubeで聞けるけど、本当なのかどうなのかは知らない。
『この店は注文の多い料理店です。まずは服を全て脱ぎ、専用の服に着替えて下さい』
そんな看板を見ながら溜息をついた。
「はぁ、めんどくさいな。」
だが、看板に従わなければ先に進めない。
次の看板は塩でお清め
その次の看板は小麦粉でおしろい
その次は、その次は…
やっとテーブルのある部屋へ辿り着いた。
そこで待ち受けていたのは、
「I love 人間!!早速いただきまーす!!!!」
そう言って化け猫が飛びついて来た。
うん、予想は合っていた。
こっそり隠し持っていた唐辛子スプレーを化け猫に向かって吹き付ける。
「ぎぁぁあああああ!!!!」
スプレーの噴出口を自分に向けている事に気付かず噴射してしまった。
バクッ!!!!!!!!!
(I love)
注文の多い料理店のオマージュ、最後でミスっちゃった来店者のようす。
「だよなぁ」
ベッドに寝た状態で真上に見える雨雲と降ってくる雨を見ながら、どうしようもない感にそう呟いた。
「兄さん達は大丈夫かなぁ?」
手軽さ重視で作った藁の家の長男、藁の乗せ方が良かったのか案外無事なようです。が、地面を流れる水に徐々に濡れていっています。
早さ重視で作った木の家の次男、かなり丈夫なようで雨風を防いでいます。が、1枚板で組んでいるので雨音がとてもうるさいらしく耳を塞いでいなければならないようです。
丈夫さ重視で作ったレンガの家の末っ子、最初に言ったように屋根が崩れてしまったようで雨を浴びています。レンガを繋ぐモルタルが乾いていなかったのでしょう。
ちょっと離れて森に隠れたオオカミ、雨に濡れるなぞ普段の事と全く気にしていません。
それぞれがそれぞれに雨音に包まれてそれぞれに過ごすのでした。
(雨音に包まれて)
3匹のこぶたのオマージュ、ビーチパラソル級の傘で濡れることなく雨の中を歩きたい民。