桃太郎さん桃太郎さん、お腰に着けたきびだんご1つ私にくださいな。
あのぉ…大変言い難いんだが、きびだんごは無いんだ。
えっ?
これなぁ、桜餅なんだよ。
じゃぁ要らないや。
(桜)
桃太郎のオマージュ、桜餅美味しいもんね。
「川を流れている間暇だったんだ。一緒に流れる君と会えて良かった」
「どこまで流れるんだろうね僕達」
しばらく流れた先で洗濯中のおばあさんが見えてきました。
「おや、大きな桃とお椀?」
おばあさん考えます。
「どちらかしか取れないねぇ」
空を見上げながらうーんと考えるおばあさんの横をどんぶらこどんぶらこと通り過ぎる桃とお椀。
「拾われなかったね?」
「だねぇ。まだまだ君と一緒に流れれるね」
(君と)
桃太郎と一寸法師の合体話、おばあさん拾うタイミング逃しちゃったもよう。
雲を突き抜け空へ向かって伸びた豆の木は遂に大気圏を越えて宇宙空間まで伸びた。
「いやいや、伸びすぎでしょ」
と、望遠鏡から目を離し空を見上げる。
成長はまだ止まっていないのは幹を見れば分かる。毎秒10cm程度だろうか?
どこまで伸びるのか?宇宙空間で光合成はできるのか?耐熱耐寒性は大丈夫だろうか?
そんな事を思いながらまた望遠鏡を覗く。
(空に向かって)
ジャックと豆の木のオマージュ、豆の木の成長が止まらない様子。
最近、妻の様子がおかしい気がする。
雀のお宿で葛龍(つづら)を貰って開けて魑魅魍魎が出てきてから今までと全く性格も何も変わってしまった。
最近はと言うと、「鬼の洗濯屋をはじめまして」と言ったり「猫又のカフェをはじめまして」と言ったり「髑髏のダイエット教室をはじめまして」と言ったり…魑魅魍魎達に仕事をさせているのだ。
しかも何故か人気なのだ。
一体何があったのかわ分からないが、あの意地悪な性格の時よりは断然良い生活になっている。
(はじめまして)
舌切り雀のオマージュ、意地悪婆さん性格変わって魑魅魍魎達すら使役しはじめました。
海を渡って本土へ戻ってきた。
荷押し車を借りて舟の荷物を下ろす。
荷押し車はかなりの重量になったが仕方ない。
引き手と押し手に分かれ荷押し車を進ませる。
途中で休み休みの移動は時間がかかる。
数日かけて目的の家に着いた。
久しぶりに見るおじいさんおばあさんはパッと顔を明るくして駆け寄ってきた。
家の横に荷押し車をつけ荷物を下ろす。
今度はこの荷押し車を返しに行かなくてはいけない。
軽くなったとはいえ距離が遠いので時間はかかるだろう。
しばらく荷押し車を引いて歩いて気が付いた。
『もう3匹の家来が居なくても大丈夫じゃないか?』
ある程度港に近付いた時に切り出した。
「家来達よ、もうここまでで大丈夫だ助かった。もう荷押し車を返したら終わりだ。解散しようじゃないか」
家来達は驚きの表情を浮かべ足を止めた。
「解散?」
「そうだ解散だ。いつかまた会うこともあるだろう。それまでゆっくり休んでくれたまえ」
困惑している家来達にまたね!と手を振り荷押し車を1人引き続ける。
家来達の慌てる声が後ろに響いている。
(またね!)
桃太郎のオマージュ、鬼ヶ島から帰還した後は軽薄な桃太郎バージョン