こっそりとパパの書斎から星図の本を持ち出してカバンに入れる。
ライトと水筒、ビスケットにジャムの瓶。
望遠鏡は大きくて入らないから双眼鏡でいいや。
おっとそうだ、時計も入れとかなくちゃ。
後は夜になるのを待つばかり。
こっそり抜け出して星空観測するんだ。
翌朝、我が子が居ない事と消えた星図の本で慌てる両親なのだった。
(消えた星図)
お昼前には帰ってきました。(その後相当怒られたのは言うまでもありません)
愛情を持って恋心を抑えて君達に接してきたけど、君達のこちらに対する接し方は変わらなかったね。
僕がオオカミだからかい?
もうね、愛情も恋心も無くして憎しみが増えそうなんだ。
もう、いいかい?
(愛-恋=?)
童話のオオカミの葛藤からの………。
梨狩りに来たのはいいが、梨園には先客がおり何やら喧嘩しているようだった。勘弁してくれと思いつつもその声が自然に耳に入って来てしまう。
「だから柿は要らねえって言ってんだ!!」
「そんな事言うなよ。柿だってたくさん成るぞ」
「何年も世話すればな!今食うのはこの梨なんだよ!!」
ぎゃあぎゃあ言い争い。他の客も迷惑そうにその声の方を見ては避けていく。
そんな事はお構い無しに、猿とカニの言い争いはしばらく続くのでした。
(梨)
サルカニ合戦のオマージュ、柿より梨派のカニだったようです。
「ねえ、お腹が減ったの」
「そうは言っても、君がたくさん食べてしまったからもう食材が無いんだ」
「目の前にあるじゃない」
「どこに?何も無いよ?…ちょっとそんな目で見ないで」
「お別れは楽しくいきましょう?さぁ歌いながら」
「待っ!!あっぐあぁぁ」
「♪LaLaLa GoodBye♪」
暴食を我慢できない二口女、目の前の相手を丸呑みしてしまうのでした。
(LaLaLa GoodBye)
顔の口で歌いながら後ろの口でもぐもぐタイムな二口女。
あー!都の岸に届かないって!川早すぎだって!!
お椀に乗った一寸法師、どこまでも流されます。
あー届かないわ。見送りましょ。
手を伸ばしたお婆さん、逃した桃はどこまでも流されます。
(どこまでも)
♪どこまーでも行……この先の歌詞は忘れた。