このまま時を止めておいて。
そう言って姫様はイバラのお生い茂る城へと入っていった。
呪いを解くために訪れる王子様達さえ追い返して時を止め続ける。
(時を止めて)
いばら姫のオマージュ、城の中で何してるんだろうか?
散るのが遅れたキンモクセイがあると聞いてピクニックにやってきた。
確かにまだ少し咲いていたが、正直言って満開には程遠く、散った花びらの方が多い。
まぁ仕方ない。
ピクニックシートを広げバスケットからサンドイッチを取り出して、ポットから温かい紅茶をカップに注ぐ。
………。
ダメだわ。どうしてもトイレの芳香剤にしか思えない。
これじゃご飯どころじゃないわ。
帰りましょう帰りましょう。
イヤリングが落ちたことにも気付かない程度にがっくり項垂れテンションガタ落ち帰り道。
(キンモクセイ)
キンモクセイってトイレの芳香剤のイメージ、この後熊が出てきて踊るだろうけどそれはまた別のお話。
おじいさん、行かないでと、願ったのに、なんで行っちゃったの?
僕は今もう、動けない。
鼻が伸びすぎて、壁に当たって、顔を曲げることも出来ない。
どうして、行ってしまったの?
(行かないでと、願ったのに)
ピノキオのオマージュ、おじいさんを助けに行く事も出来なくなったピノキオの様子。
コレは誰にも内緒だ。
まさか狩った鬼の角を標本にしてコレクションしているなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
桃太郎さんが標本にしてる鬼の角をたまに齧って遊んでるなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
犬が遊んだ後の標本を売ってお金に替えてるなんて誰にも内緒だ。
コレは誰にも内緒だ。
猿が換金して来たお金で標本を買い戻して桃太郎さんの標本の箱に戻してるなんて誰にも内緒だ。
(秘密の標本)
桃太郎のオマージュ、角標本の秘密。
「おじいさんおじいさん、早く起きてくださいな」
慌てた様子のおばあさんの声にゆっくりと起き上がったおじいさん。
昨日より冷え込みが強く布団から出るのを躊躇います。
「おじいさん、早くこれを見てくだされ」
「外がどうしたんじゃ?」
掛け布団を羽織ったままおじいさんが玄関戸まで来ると、山と積まれた野菜や米俵、熊肉に鹿肉まで。
凍える朝の気温のお陰か、腐ることもなく積まれています。
「あぁこりゃ、どういうことじゃろな?」
昨日、笠をお地蔵様に被せた事などとうに忘れているおじいさんなのでした。
(凍える朝)
笠地蔵のオマージュ、食べる前に一応傷んでないか確認必須ですよ。