「だよなぁ」
ベッドに寝た状態で真上に見える雨雲と降ってくる雨を見ながら、どうしようもない感にそう呟いた。
「兄さん達は大丈夫かなぁ?」
手軽さ重視で作った藁の家の長男、藁の乗せ方が良かったのか案外無事なようです。が、地面を流れる水に徐々に濡れていっています。
早さ重視で作った木の家の次男、かなり丈夫なようで雨風を防いでいます。が、1枚板で組んでいるので雨音がとてもうるさいらしく耳を塞いでいなければならないようです。
丈夫さ重視で作ったレンガの家の末っ子、最初に言ったように屋根が崩れてしまったようで雨を浴びています。レンガを繋ぐモルタルが乾いていなかったのでしょう。
ちょっと離れて森に隠れたオオカミ、雨に濡れるなぞ普段の事と全く気にしていません。
それぞれがそれぞれに雨音に包まれてそれぞれに過ごすのでした。
(雨音に包まれて)
3匹のこぶたのオマージュ、ビーチパラソル級の傘で濡れることなく雨の中を歩きたい民。
6/11/2025, 12:51:31 PM