ぽんこっぅ

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3/29/2025, 1:25:38 PM

森に迷い込んで何時間経ったのかもう分からないけど、お腹のすき具合から2時間以上経っていることは確かだ。
後ろから着いてくる妹からもお腹の鳴る音がずっと聞こえている。
「お兄ちゃんお腹減った」
と涙混じりの声で言われるが自分も同じなのだ。

そして森の少し開けた場所に辿り着き2人して目を見張った。
「お菓子…だ」
「お菓子の家だよねお兄ちゃん」
壁はクッキー、屋根はチョコ、窓ガラスは飴細工、他にも色々なお菓子で作られた家だ。
いい香りもちゃんとしている。

妹が「我慢出来ない」と壁に齧り付いた。
自分もつられて屋根に齧り付いた。
ちゃんとしたお菓子だ。美味しいお菓子だ。
もう止まらない!とどんどん食べていく。
フードファイトで鍛えられた胃袋はこんな程度では満たされない。

一方その頃、物陰に隠れ「私の家を食ったな!!」と呪いをかけようとしていた魔女。
あまりの暴食っぷりに腰を抜かし、消えていく家を涙を浮かべながら見る事しか出来ないで居ましたとさ。
(涙)

ヘンゼルとグレーテルのオマージュ、フードファイト兄妹に魔女もびっくりのようす。

3/28/2025, 12:06:21 PM

コロコロと落ちてきたどんぐりを追いかけて捕まえて頬袋にしまう。頬袋にはもう5粒のどんぐりが入っている。
これだけあればおやつ位にはなるかな?と安心安全な巣に向かう。
大好きなどんぐりをゆっくり食べれる小さな幸せにウキウキしてスキップなどをしてしまう。

が、揺らしすぎた頬袋から1粒のどんぐりがポンッと飛び出してしまった。
どんぐりは道から逸れて急斜面の土手を転がって落ちていく。
あぁっ待て待てと追いかけようとするが時すでに遅し。土手の先の池にポチャンと落ちてしまった。
まぁいいやあと4粒あるしまた拾いにこればいくらでもあるんだからと気持ちを切り替えて巣に入る。
(小さな幸せ)

どんぐりころころのオマージュ、どんぐりが転がって池に落ちるまでの話。

3/27/2025, 12:34:55 PM

「枯れ木に花を咲かしましょー」
と掛け声をしながら、脇に抱えたカゴから大量の灰を撒く。
ただの灰ではない。特別な、特別な灰だ。
撒いた灰は風に乗り辺りの木に飛んでいく。
葉っぱも何も無い、枯れかけた木はたちまちに花を咲かせ春爛漫に参加する。

が、その木はその後一日ともたず根から完全に枯れてしまう。
最後の最期の生命力を無理に使って花を咲かせているのだろう。
散り際、枯れ際の一瞬に儚く春を見る。
(春爛漫)

花咲かじいさんのオマージュ、咲いた後の物語。

3/26/2025, 12:57:30 PM

かぐや姫様が出したお題に答えなくてはこの先の進展は無いという。
どのようなお題が出ているのだろうか?

『正六面体を正確に七色に塗り分けよ』

六面しか無いものを七色に?
これは悩む者が続出するのも無理はない。
かくいう自分もその1人となった。
(七色)

かぐや姫のオマージュ、ひとつのお題で超難関なお題を出された人達。

3/25/2025, 12:48:28 PM

最初の獲物は、子ブタ共だった。
次の獲物は、森にひとりで住むババアとそこを訪ねてくる幼女だった。
更に次の獲物は、留守番中の子羊共だった。
更に次は…その次は…

目が覚める。辺りは静かでまだ日は上っていないようだ。
「久しぶりに嫌な夢を見たな」
そうつぶやきながら凝り固まった体を伸ばす。
獲物を襲い成功したと思ったら、だいたい酷い目にあい命を落とす。
そしてその記憶を継いだまま別の所で生き返る。
幾度も繰り返している。
今日のようにその記憶が夢に出るとその日から1週間以内に同じように獲物を襲ったあと命を落とす。
また記憶が増えるな、と思いながら今日を生きる為に獲物を探しに行動を始める。
(記憶)

物語のオオカミの記憶、死んでは生き返ってを繰り返すオオカミの話。

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