「枯れ木に花を咲かしましょー」
と掛け声をしながら、脇に抱えたカゴから大量の灰を撒く。
ただの灰ではない。特別な、特別な灰だ。
撒いた灰は風に乗り辺りの木に飛んでいく。
葉っぱも何も無い、枯れかけた木はたちまちに花を咲かせ春爛漫に参加する。
が、その木はその後一日ともたず根から完全に枯れてしまう。
最後の最期の生命力を無理に使って花を咲かせているのだろう。
散り際、枯れ際の一瞬に儚く春を見る。
(春爛漫)
花咲かじいさんのオマージュ、咲いた後の物語。
3/27/2025, 12:34:55 PM