ぽんこっぅ

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森に迷い込んで何時間経ったのかもう分からないけど、お腹のすき具合から2時間以上経っていることは確かだ。
後ろから着いてくる妹からもお腹の鳴る音がずっと聞こえている。
「お兄ちゃんお腹減った」
と涙混じりの声で言われるが自分も同じなのだ。

そして森の少し開けた場所に辿り着き2人して目を見張った。
「お菓子…だ」
「お菓子の家だよねお兄ちゃん」
壁はクッキー、屋根はチョコ、窓ガラスは飴細工、他にも色々なお菓子で作られた家だ。
いい香りもちゃんとしている。

妹が「我慢出来ない」と壁に齧り付いた。
自分もつられて屋根に齧り付いた。
ちゃんとしたお菓子だ。美味しいお菓子だ。
もう止まらない!とどんどん食べていく。
フードファイトで鍛えられた胃袋はこんな程度では満たされない。

一方その頃、物陰に隠れ「私の家を食ったな!!」と呪いをかけようとしていた魔女。
あまりの暴食っぷりに腰を抜かし、消えていく家を涙を浮かべながら見る事しか出来ないで居ましたとさ。
(涙)

ヘンゼルとグレーテルのオマージュ、フードファイト兄妹に魔女もびっくりのようす。

3/29/2025, 1:25:38 PM