木漏れ日
こんなにも穏やかな時を過ごせるとは夢にも思わなかった。
静か…。
時々昔の色々な事が通り過ぎていく。なるべくそれ以上掘り下げない様にさらーっと記憶の彼方に流してみる。
昨日言われた言葉に胸を鷲掴みされて、嫌い…自分も皆も…。
出口のないトンネルに歩き出そうとする自分に、平気、忘れて、気にしない、まぁいっか…と声を掛ける。
外に出て大きく深呼吸する。
今この時を楽しんでいる。
木漏れ日が冷たい私の心を暖めてくれる。
青い空に雲はない。
此処に1人佇んでいる。
俯瞰してみる。
この小さな片田舎の片隅で1人、空を見あげている。
やがて小さな日本島が見える。
海がキラキラ広がった青い小さな星が見える。
漆黒の暗闇に星が限りなく広がる。
太陽の光が熱い。
絶対の孤独の中に私と同じ思いの誰かが何処かの星にいるような…。
その星では木漏れ日はどんなふう?
聞いてみたい…。
風と
1日が終わる頃、窓辺に立ち窓を勢いよく開ける。
空が水色からやさしい紫、オレンジ
ピンクとグラデーションを作る。
夕陽が眩しく真っ直ぐに私に立ち向かう。私は瞬きしない様力を込めて
見つめ返す。夕陽は静かにゆったり沈んでいく。
春の風は時に強く髪を乱す。でも今やさしく髪と頬を撫でるように私を包むように流れていく。
突然胸の奥から熱いものが込み上がり、泣きたくなる。
そうか、私泣きたかったんだ、ずっと…。
何も無い。ただ朝うつらうつらして考えていたの。誰からも嫌われて
1人どう死んでいこうか…。自業自得だよね、分かってる。だから迷惑かけずスパっと死ぬにはどうすればいいかな〜とそんな事考えながら1日が始まったのだ。
答えは出ない。
春なのに…桜の花びらが風に乗ってどこからか飛んできたのに…こんなにも風は暖かいのに…馬鹿だね〜
もう忘れよう…なんとかなるよ。
それほど人は、私の事気にしてないから。平気、平気、…
その時はその時。
私の不安は風と一緒に飛んで行った
私は、私を、一生、許せない。
自分だけが知っている。
罪、傲慢、恥、裏切り、愚かさ
私は、私を、一生、許せない。
2人の間に言葉は要らない。
鼻先が触れるほど近づき聞こえるのは…
もっとこっちに恋よ…
もっと触れたい、もっと、もっと…
私の恋心に愛にきて…
束の間の恋心を混じらせ濃縮還元したら愛に昇華しますか?
流行り病のように恋心は一刹那の間に変幻してゆく。
小さな事が気になって、どんどん心をの中で膨らみ続ける。
好き…嫌い…生理的に…感覚的に…
ある日気づく。
逃れたい…。
離れられたら、もう会わなければ楽になりそう。
でもまた気づく。
全て貴方から始まっている、考え方や価値観、何をするにも貴方がちらつく。
貴方無しでは生きられないこと。
愛に来てと声にしなくても、いつも側にいる事を…。
ゆとり
お金が無いとまずゆとりは生まれない。
余裕のない生活から気持ちまで余裕は無くなる。
お金が無くても動じず余裕のある人もいるだろう。
生きる為に最低限のお金が有れば問題なし…と。
心の中に様々な事がせめぎ合う。
どれもが自己主張強く、思い込み、視野の狭さ、器の小ささを教えてくれる。その中でゆとりは追いやられ
新しい正しい思想は入る隙間を見出だせない。
子供が自立した。
お金に余裕出来た。
仕事を辞めた。
悩みが減った。
自己嫌悪を離れる努力をした。
執着を捨てる癖をつけた。
心に隙間が出来た。
余裕が生まれた。
どこへ行こう
私は短腹だ。
グズグズが大嫌い。
ぱっと閃いたらすぐ動く。
後から考える…悩む…反省する。
たまに悩み出すときりがない程うじうじ悩む。
そしてついに、答えが出ない…やがて誰かに丸投げする。
同仕様もない嫌なやつなのだ。
自分なりに『いさぎよさ』をモットーとしている。
行く行かない、やるやらない、買う買わない…等など。
すぐ返事をする、決断する。
人間味や情のようなものはなく、ある意味、非情で冷酷ですらある。
もうだめだと明らかになった時、
どこへ行こうか?
いさぎよさを常にしているからには
グダグダは自分の美意識が許さない。尊厳を守る為に最後の勇気が必要になるだろう。
世の中的に悪い事、禁忌、悲しい忌むべき事、恥ずかしい事とされる。
そうだろうか?
戦国時代白装束で女子供、覚悟を決めた最後のいさぎよさ。
日本の美徳と思うのだ。
しかし現代を生きる私にその覚悟は持てないだろう。
それならいっそ、此処ではない何処かへ旅立とう。いつかのあの海の輝きが導いてくれるだろう。
そう願ってやまない。
ささやき
このままで本当にいいのか…?
何かアドバイス無いの…?
知らんぷりするの…?
大変そうだし、とても疲れてるみたい…
たくさんのささやきが私の側で聞こえてくる。
私の言葉は人を傷つける。
これ以上嫌われたくない。
でも、なにかしてあげたい。
何か言ったって余計なお世話と言うだろう。もう大人なのだから、見守るだけでいいんじゃないか…。
本当は面倒なだけなんでしょ…
関わり合うことが怖いんでしょ…
薄っぺらい人間なのね…
ささやきは終わりを知らない。
此処が私の限界。
もしかしたら彼も今が限界。
私は知っている。
限界の先に無限の可能性がある事を…。
でもそれは、自分自身で辿り着かないと意味がない。
壁の登り方を教えてもらっても、登るのは本人だけ。登って初めて自分なりの登り方を見つけ、登り切る事が出来る。きっと又少し高い壁が待っている。今度は教えなど必要ない。次の壁もきっと出来るとささやく声が聞こえるはずだから。
信じて、待って、見守ろう…。
この祈りがささやきとなり力になることを祈って…。