星明かり
私は、自分が嫌い、大嫌いだ。
最近の言葉で自己肯定感が低い。
子供の頃から早く死にたかった。
夢も希望も無かった。
元々は明るい天真爛漫な子だった。
世の中を知るにつれ暗い子になっていった。
唯一癒してくれたのが星明かりだった。1人で暗い家に帰る時ずっと見守られている気がして嬉しかった。
赦すとか忘れるとか出来ずいつまでも自己嫌悪の思いがぐるぐる廻って生きてきたけど…。
ありのままでいいんだよ…あなたはそのままでいい。
意味は分かるけど実感が分からなくて…。誰が許しているの?本当の私を誰も許さないはず。自分自身が1番分かっているからよけい許せない…と思って来た。
逃げ場は無い。自分からは…。
死ぬまで付き合うしかないのだ。
えっ、そう言うのは誰?自分が自分に付き合うってどう言うこと?もう1人別人が頭の中に居るのだろうか?
主人公…なんだよね。この人生を生きているのは私、1人…。
嫌いでも許せなくても、はたから見たらどうでもいい事でちっぽけな私の事は誰にも気にされてないのだ。
笑っちゃった、くだらなすぎて…。
日は昇り、月は満ち欠け、星は、輝く、誰にでも何処に居ても、いつの時代も。
暗い心に星明かりが灯り続ける。
物語の始まり
いつだって今この時から始まるのだ
私の物語は、悲しみから始まり、苦しみになり、喜びに変わりそして今
無になろうとしている。
1人だけの物語は無い。
全ての人に物語はある。
母の、父の、祖母の、祖父の物語はわからないけど確かにあったのだから。どんな思いでつながってきたのだろう。私の中の細胞のどこかに確かに息づく、誰かの思い。
別個の人間が見つめ合い想いを伝え物語は始まる。それは川の流れのように途切れることなく永遠に…。
私のどんな想いが次の物語に続くのだろうか…。
隣で小さな寝息のこの子に物語を聞かせる。私の物語を…。夢の中で花を咲かせ、血の涙を流し、熱い汗、
たくさんの物語を伝えよう。
夢へ
今のこの生活は、夢だった。
絶対叶わないと思っていたから、あまり考えもしなかった。
自分は死ぬまで働いているつもりだった。もちろん働く事は嫌いではなく達成感や充実感は何物にも代えられず、その瞬間は輝いていたと我ながら思う。
だから何もせず1日ぼーとしている日々、誰とも会わず何も生み出さず消費する毎日。人は、落伍者と言うだろうか…。
でも穏やかなのだ。
幸せを噛み締めている。
好きな物を食べ、行きたい所へ行き
人間関係に悩まず、好きな本や映画
ドラマを好きな時に好きなだけ…
朝も好きな時に起き、好きな物を食べたい時に食べる。夏は海に冬は雪に春は花に…何の心配も苦しみも…
四苦八苦の中で七転び八起きして、
怨憎会苦に苦しみながら今、自分は、何も求めない。求められもしない。でも1人じゃない。
そう…孤独だけど1人じゃない。
これが夢だった。
今の私の夢はあなたに会うことだけ。きっとその時が来たら迎えに来てくれると信じている。
遠い約束
何年も過ぎてから、ようやく気付く
あんな恥ずかしい事なんでやってしまったのか…愚か過ぎて笑ってしまう。
でももう一度あの瞬間に戻っても同じ過ちを犯してしまうんだろう。
たぶん最後の一刹那、私は後悔ばかりの人生だけども、好きな様に自由に生きたと、言い切れる。
一生添い遂げる事、自分を殺さない事…この遠い約束だけは守りましたと誰にでもなく呟くだろう。
子供が5歳の時だった。
旅先でぐっすり眠っている彼を置いてちょっとお店に出掛けた。
帰ったら旅館の人の側で泣いていた。ひと言、言ってくれないと…とお叱りを受けた。
子供達が2〜3年生の頃だった。
ぐっすり眠っている彼らを置いてカラオケに行った。当選し自転車を頂き、ランランと帰ってきたら、お隣さんが介抱してくれていた。2人で泣いて探していたらしい。
置いていかれてどれだけ寂しく怖かっただろう。最低でひどい親だった。
自分自身、母親が嫌いであまり感情すらなくなって…なのに死んだら謝りながら号泣していたっけ…。
私に会えば彼は、きつい言葉を投げかけ、スマホから目をそらさず嫌いなんだろうなと思っていた。当たり前だけど…
同じ気持ちと思う事は、傲慢なのかもしれない。でもきっと私が死んだら彼が悲しむ事は想像できる。思い上がりかもしれないけど、彼は優しい人間なのだ。せめてこれ以上、悲しませたくない。
皆が泣いても彼は泣かずに何処か1人で泣くだろう。
棺に花を1輪入れたことで、彼の心の傷を連れ、炎と共に昇華されます様に…。