貴方が目を見て話してくれるから、
明日への一歩が踏み出せる気がする。
【心の灯火】#35
頭が痛い。喉が痛い。体が熱い。
風邪なんて、絶対ひいてないからさ。
喉が渇き、岩のような水を飲んだ。
でも、やっぱり。
【開けないLINE】#34
紅葉が一面に絨毯を敷く季節。
君があの花を見つめるから
僕はその花が好きかと問う。
どこか惹かれるから好きだと。
ほのかな安心感が僕を包んだ後
その花が姿を消すようなベンチに座る。
今度は君が僕を見つめるから
君の頬に手を添えた。
段々と頬が暖かくなってゆく君は
この香り…と一言。
あの花は金木犀と言うんだ。
【香水】#32
君に暑い眼差しを送るアイツの隣で
海を泳ぐ。
アイツは月を照らし
人々に日差しを与える。
なんという完璧な奴なんだ。
そして
そんな隣でただ泳ぐだけの僕は-。
不完全な形にして不完全な存在。
ならばアイツを隠せばいい。
どうか愚かな僕をお許しください。
人を利用して
君に魅力を伝えようとしたことを。
-空に浮かぶ太陽は雲で隠され
その雲は“天使の階段”を生み出した。
【不完全な僕】#33
生き抜いて見せよう。
レベルは違えど
“生きていれば、いずれ変わる。”
そう信じているから。
【言葉はいらない、ただ・・・】#31
-雪だるま。
玄関の前にはソレが立っていた。
すぐに状況理解ができたのは
目の高さが合っていたからである。
今思えば異様な光景だが
何処か親近感が湧き、
共に生活をすることにした。
その過程について
今、綴ろうとする気分になれない。
結果的に言うとアイツは溶けたんだ。
半年間、毎朝のように小さくなってゆく
アイツと笑い合った。
ありんこと同じ大きさの日も。
本当に楽しかった。
今年の冬も待ってるぜ、相棒。
【突然の君の訪問。】#30