時折、息をすることを忘れる。
それは、不意にきて
闇から這い出る不吉な塊と化し、
我を襲う。
その時は必ず、
「あゝ、これが最初から決まってた
宿命だというものだろうか。」
と思う。
彼の娘が現れてから、途切れずに。
恋心なんぞ、最も不明なもの。
病でないことに気づくのは、
ずっと先のことであった。
【最初から決まってた】#9
来世は、太陽になりたい。
君は、月になりたいというから。
いつまでも、君の支えになれたなら。
【太陽】#8
桜が踊る日、禁断の恋に触れた。
貴方と同じ歳ならばと、そう想う。
幾度、想おうがなんら変わらぬ。
手を差し伸べれば、木漏れ日が溢れ、
雪の結晶は、貴方に逢う度に溶けた。
それを嘲笑う鐘(チャイム)の音は、
再び桜が踊り出すよりも先に、
貴方との別れを告げさせた。
【鐘の音】#7
人生は、大冒険だ。
良いことがあった次には、
必ずと言うほど、悪いことが起きる。
また、その逆も起こる。
だから、つまらないことでも、
挑戦してみてほしい。
無理だと思ったら、止まってもいい。
そこで勘違いして欲しくないのは、
それは逃げたのではなく、
違うルートに向かっただけという事。
そうすると、やがて宝箱を見つける。
それは主人公によって異なるはず。
人それぞれ、ルートは違うんだから。
さぁ、最高の宝箱を見つけに、
これからを歩んでみよう。
【つまならないことでも】#6
貴方が遠方へ出かけてしまう前に、
私は、周りを華やかにしておきます。
大空を羽ばたいた雲の色をした、
白い花が良いですか?
貴方と行った向日葵畑の色をした、
黄色い花が良いですか?
貴方の元気な笑顔から溢れる色をした、
元気な緑色も入れますか?
全部、全部、貴方の周りに。
どうか、貴方が遥か遠くに行くため
“目覚めるまでは”、
ゆっくり、休んでいてください。
私はすぐに、
貴方に会える気がしてなりません。
貴方の愛人なのですから、
もし会えたら、
あの笑顔で、私を迎えてくれますか?
決して、まだ来ないで欲しかったと
言わないでほしいです。
きっと、それは
私なりの愛情表現ですから。
愛しています。
【目が覚めるまでに】#5