窓には、星が何百も広がっていた。
藍色と黒色を混色してできた空に、
一段と青く輝く三角形。
私はいつか、
“あの三角形の中をくぐって、
三日月の湾曲部分に座り、
星々を見下ろしてみたかった。”
時計の針は、
段々と止まりかけている。
ベッドから立ち、
息が荒くなるのを感じたけど、
私は、あの空を
羽ばたくしかなかった。
星空の入り口に、足を掛けて
「どの星の隣に行こうかな」
と、しばらく考え込んだ。
やっと決まったかと思えば、
星空の入り口は
あまり開こうとしなかった。
数分、葛藤したのち、
翼の生えることのない背中を信じて
あの三角形を目掛けて羽ばたいた。
【病室】#4
キミに、この深紅のバラを贈ろう。
鮮やかで魅力的な、一輪のこの花を。
キミの笑顔のような、一輪のこの花を。
白い壁に、白いベッド、白い空気、
それらに包まれたキミに。
大丈夫さ。
きっと、キミには明日がある。
だから“明日、もし晴れたら”
僕と一緒に、笑い合って、
キミの輝く笑顔を見せてほしい。
【明日、もし晴れたら】#3
人の不幸は、自らの幸の一部だ。
人が失敗を犯せば、
どこか満足する自分がいる。
しかし、それをすることで
人が傷つくようであれば、
一人で、自分の幸を見い出し、
生きていく方が良いのかもしれない。
【だから、一人でいたい。】#2
君の“澄んだ瞳”を写した
最期の想い出。
橙色の空には、
もう、一番星が見え始めていた。
まだ、これは私が持っていても
良いよねと、星に問う。
良いのだよと、言わんばかりに
星は、銀河をつくる。
私は、それに向かって
シャッターを押した。
【澄んだ瞳】#1