窓には、星が何百も広がっていた。
藍色と黒色を混色してできた空に、
一段と青く輝く三角形。
私はいつか、
“あの三角形の中をくぐって、
三日月の湾曲部分に座り、
星々を見下ろしてみたかった。”
時計の針は、
段々と止まりかけている。
ベッドから立ち、
息が荒くなるのを感じたけど、
私は、あの空を
羽ばたくしかなかった。
星空の入り口に、足を掛けて
「どの星の隣に行こうかな」
と、しばらく考え込んだ。
やっと決まったかと思えば、
星空の入り口は
あまり開こうとしなかった。
数分、葛藤したのち、
翼の生えることのない背中を信じて
あの三角形を目掛けて羽ばたいた。
【病室】#4
8/3/2023, 12:31:27 AM