月灯り

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9/27/2025, 3:19:02 PM

「涙の理由」

貴方は
私の頬を伝う
水滴の意味を
知ることは無いでしょう

貴方が
私を見ても
興味なく
目をそらす度に
私の心は雨模様

貴方に
言われた
好きな人がいるから
その言葉で

儚く崩れ去った恋を
どう処理しようと思っていたの?

後から
貴方が貴方の友達に
好きな人なんて居ないけど
って笑って話していた時は
本当に辛かったわ

メンタルも
感情も
性格も
何一ついい所なんてなくて

それでも
貴方には
分かって貰えるって
思ってたけど

貴方は
私の頬を伝う
水滴の意味を
知ることは無いでしょう

貴方は
私を
見ようともしないもの

9/27/2025, 12:13:45 AM

「コーヒーが冷めないうちに」

コーヒーを頼んで
彼女を待つ

約束時間より少し早めに家を出たから
まだ彼女は来ないだろう

晴天とまでは行かない
晴れた空が
僕の心情をあざ笑う

雲より上を飛ぶ
鳥の声が
僕の心を見透かすかのよう

憂鬱さを誤魔化すように
ミルクが入っていない
コーヒーを口に含む

しばらくして君が来た
きっと別れ話だろう

君にあげるために
コツコツ貯めていた指輪のお金は
もう用無しかな

彼女は終始落ち着かない様子で
ソワソワしていた

そりゃそうだろう
今から5年間付き合った相手を振るんだ

「…どこがダメだったんだ?」

「え?」

「別れるんだろう?」

「えっ!?」

「え?」

おかしい
『大事な話があるから今度話そう』
というのは
別れ話の切り出し方じゃないのか?

「その、もし良ければだけど、ど、同棲してみな い?」

肩を震わせながら君が言った

嘘だろ?
今日は別れ話だと思って来たのに

動揺を隠すために
少し冷めたコーヒーを飲む

「もちろん、したいよ」

そう言って微笑んだ
彼女が嬉しそうに頬を赤らめる

先程まで彼女に渡そうと思っていた
今までありがとうの手紙を
そっとカバンの中で握りつぶした

9/25/2025, 10:48:21 PM

「パラレルワールド」

もしも自分がもう1人いたら
君の彼氏がもう1人いたら
君は僕を選ぶのかな

1人目は
成績優秀で
運動が出来て
フレンドリーで
顔が良くて
人当たりがいい

そんな僕

2人目は
成績は普通で
運動が苦手で
人見知りで
フツメンで
でも、優しい

そんな僕

君が好きになったのは
2人目の僕だけど

2人に同時に告白されたら
きっと1人目を選ぶよね

でも僕は
君が2人いたとしとも
迷わず君の手を取るよ


だから
僕を選んでよ、、

9/25/2025, 6:30:48 AM

「時計の針が重なって」

時計の針が重なって
鐘の音が周囲に響く

零時を告げて進む針

くそ、あともう少しだったのに
悔しがりつつ帰路を急ぐ

焦って階段をおりていると
足からスポンと靴が脱げる

ガラスの靴が階段に転がる

そんなものには目もくれず
逃げるように帰る

後ろで王子がこちらを
見ていることに気付きながら
少し縮んだかぼちゃの馬車に乗る

家に帰る頃には
すっかり魔法も解け
いつもの灰を被った少女に戻っていた

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翌日

王子様の命令で
ガラスの靴の持ち主を
探すことを知った

そしてついに私の家に来た

みんなが見守る中、
私の足に合ったサイズの
ガラスの靴を履いた

みんなが
「この子がシンデレラだったのか!」
と噂していた


そんな訳ないじゃない

本当にピッタリなら
走っただけで脱げたりしないし
ピッタリすぎて脱げないわ

私はシンデレラじゃないのよ

でも、
足のサイズで分かると言った
王子の命令だから
みんな疑うことをしない

よく見たら
顔が違うとわかるはずなのに

王子も疑問を持たずに妻にしてくれた

ほんと
世界って残酷なほど頭が弱いわね

そう思いながら
人懐っこい笑顔を顔に貼り付ける


本当のシンデレラは
家の地下にずっと居るのにね

9/23/2025, 12:30:47 AM

「Cloudy」

Cloudy
それは私の心のよう

Cloudy
それはみんなのもの

Cloudy
空が曇っていても
その上には光が差しているもの

Cloudy
届かない光があっても
雲の上は雲ひとつ無い快晴だということ

Cloudy
どこまでも
空に落ちたら
きっと綺麗ね
ゼブラゾーン
そんな想像をして渡る横断歩道

心はいつでもCloudy

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