「心の中の風景は」
心の中に
浮かんでは消えていく風景がある
昔に見た草原の
草と空が広がる風景
どっちが広いのかわからないくらい
遠くまで広がっているんだ
そんな夢を見た
もうずっと前のことだけれど
未だにあの景色が忘れられない
第三次世界大戦のあとに生まれた僕は
青空と原っぱを
まだ知らない
「夏草」
夏草と揺れる
君を見ていた
とても白くて愛らしい
眠るときは小さくなって
自然に体を預けている
そんな君が美しくて
たまらなくて
僕のものにしたかったんだ
星が瞬く夜の空を
君は飛んでいた
どこに行きたいのかが
わからないような羽ばたき方で
君に触れようとしても
ひらひらと避けられてしまう
こんなにも難しかったかな
そう思いながら僕は
傍を飛ぶ蝶めがけて
虫取り網を下ろした
「ここにある」
君の大切な人を3人答えて下さい。
そう聞かれたら君は誰を思い浮かべる?
友達?
家族?
恋人?
もっと他には無いのかい?
とても近くて、とても遠いもの
家族との絆なんかより、もっと大切なもの
君の大切なものは
きっと君だと思うんだ
君自身がいちばん大切だと思うんだ
君の身体のことは
君にしか分からない
君の思う気持ちは
君にしか気付けない
君が君自身を大切にすれば、
自然と大切にしたい人も集まってくる
君自身が大切ならば
大切にすればいいものは
ここにあるでしょう?
世の中の人には
リストカットをする人や
暴力を受けている人や
ドメスティックバイオレンスをしてしまう人など
色んな人がいるよね
君もそこに当てはまるかもしれないし、
当てはまらないかもしれない。
でも、
リストカットをする人は
安心したくてそれを選ぶ
暴力を受けている人は
咄嗟に自分を守るように避けようとする
ドメスティックバイオレンスをしてしまう人は
自分ではない他の人に依存してしまって
傷つけてしまう
これは
きっと自分を守るためだったり、
安心したいから
全部が悪くないなんて言えないし、
そんなことを言うつもりもないけど
いちばん大切にして欲しいのは自分自身なんだ
君を守れるのは、君しかいないから。
君の大切なものは
きっとここにあるよ。
「素足のままで」
素足のままで
走れるところまで
素足のままで
登れるところまで
素足で出来ることなんて
これっぽっちだけれど
足の裏が痛くなって
立ち止まってしまうけれど
その時は靴を履けばいい
靴を履けば何処へだって走れる
靴を履けば何処まででも登れる
その靴が今までの努力だとしたら?
勉強せずに高校の問題を解けと言われても
直ぐに解けなくなる
でも、靴を履いていたら?
今までコツコツと勉強していたら?
今の自分に解ける所までは
難なく行けるだろう
ランニングをしながら
靴を持って来ればよかったと嘆くより
事前に靴を履いて出かけた方が
かなり楽になる
だから今
僕たちは靴を履こうとしている
だから今
僕たちは勉強を続けている
だからペンを持って
机の上にあるテキストと睨めっこするんだ
今頑張れば
きっと素晴らしい景色が見れるだろう
帰り道を行く時は涼しい風が吹いているだろう
昼に走ると汗ダグになるが
夜に走ると気持ちいい
だから今
必死に汗を流しながら走るんだ
頑張ろう。
頑張れ。
「もう一歩だけ」
もう一歩だけ進むことができたら
君の手を掴むことが出来るのだろうか
もう一歩だけ進むことができたら
君に声を届けることが出来るのだろうか
もう一歩だけ
君との距離が縮められたら
君の些細な表情の変化を感じとれるだろうか
もう一歩だけ近づいて
君を引き寄せることが出来たなら
君が流す涙の意味を知れたのだろうか
もう一歩だけ進んで
抱きしめたい
ここにいるよって伝えたい
でも、きっと今の僕じゃ届かないから。
視界がぼやけるを感じながら、僕はずっと
君を見ていた
遠くで救急車の音が鳴り響く
そろそろ、おしまいかな。
損壊した車の横で
倒れる僕の傍で
君はずっと泣いている。
君は、僕なんかのために泣ける
心の優しい人なんだね。
君は、僕なんかを気遣える
素敵な人なんだね。
そんなこと、前から分かっていたよ。
君は心が綺麗だ。
人は、声、顔、思い出や性格の順番で
人のことを忘れていくらしい。
なら、最後に声を出せば
君の記憶に残ることが出来るかな?
「 」