くり

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9/27/2023, 3:23:21 AM

秋と言えば……
読書、スポーツ、芸術、食欲。
真っ赤に染まる紅葉。
心地よく耳に響く鈴虫の声。

大好きな季節。

だけど、最近は夏の残暑が強く、暑い日が過ぎ去るとすぐに冬が到来する印象がある。

秋という季節をじっくり味わう余裕がない。
少し寂しい……

9/25/2023, 11:40:26 PM

席替えの時、窓側になると宝くじの高額当選をしたのかという程、喜んだ。

私は進学クラスで他のクラスよりも授業が1コマが多く、7時間目は大学の受験勉強に勤しんでいた。集中力なんて続くわけもなく、授業中は窓の外を眺めていることが多かった。

あの子が居たから。
サッカー部員のあの子。

教室の窓から見える景色は、ドキドキでいっぱい。
耳を澄ませば声まで聞こえる。
あの子は部活を頑張っている。
私も勉強を頑張らなければ。
そう思いながら、集中するのは窓の外。
人が恋しくなる季節のほのかな恋。
ただ遠くで見ているだけで満足していた
うぶな恋だった。

大学には無事に合格し、あの子とは別々の道を歩むことになったけれど、今でも窓から外の景色を眺めると、あの子がボールを追い掛けている。

9/24/2023, 11:38:15 PM

今、昔のドラマにはまっている。
気がつけば日付が変わっていることも多い。
明日、大切な会議があるのに寝不足だなんて。
会議中に寝てしまったら、どうしよう。
そんな心配はあるものの、見てしまう。
1話から最終話まで一気に。

小学生や中学生の時にはわからなかった大人の恋や事情。今だからこそわかることが面白く、今見るからこそ価値がある。たまには昔のものを見て、時を振り返るのも悪くない。なんだか、明日も頑張ろうと思える。自分の中から元気が湧いてくるのがわかる。

この何とも説明できない気持ち。
時代の流れ。
蘇る思い出の数々。

全て形のないもの。それらは形あるものに引き連れられる。形あるものが必要なのは、形ないものを導くためなんだと思う。

だからいいんだ。自分が元気になるなら。
給料日前だけど、DVDコレクションを買おうっと。

9/24/2023, 3:55:43 AM

 子どもの頃、家の近くの公園には、お城のようなどでかいジャングルジムがあった。他の地域の子ども達がそれを目当てに遊びに来ていた程だ。そこで良く戦国武将ごっこをした。闘いに勝ったものだけが、ジャングルジムのてっぺんに登れる。そこから見る景色は、特別なものだった。まさに天下を取った気分を味わえたものだ。ちなみに闘いの方法はじゃいけん。ジャングルジムを自由に登り、対面すると、じゃいけんをして負けた者は一度降りて、また登る。じゃいけんに一番多く勝った者が天下人だ。ジャングルジムだけで、夕方まで遊べた。

 その後、テレビゲームが流行り、子どもが外で遊ばなくなった。高校生の時、ジャングルジムは老朽化し、危険な遊具として撤去された。撤去される前、何年ぶりかに誰も居ない公園でジャングルジムのてっぺんまで登り、そこからの景色を堪能したことを今でも覚えている。高校生にもなれば、どでかいジャングルジムがそう大きく感じられず、時間の経過を空しく思えた。

 現代の子どもには、時代に合った遊び方があるのは理解している。ゲームやスマホなどデジタルが主流だが、外で身体や頭を使い自分で遊び方を考え、夢中になるのも楽しいことに気付いて欲しい。泥だらけになり、多少のケガもし、地域以外の子ども達と交流する。子どもの時にする色々な経験は大人になると財産になること。大人にも思い出して欲しいと思う。

 ジャングルジムは危険だから、現代の公園にはない。ジャングルジムという言葉を知る子どももいないかもしれない。時代の流れだから寂しいけど仕方ないという思いもある。だが、僕の思い出にはしっかりと残っている。景色や遊び方だけじゃない。鉄を握った時の感覚や手についた錆びの匂いも。

9/23/2023, 3:26:39 AM

耳を済ませて。
声が聞こえる。
何の声だろう。

子どもが公園で遊ぶ声。
お風呂で歌を唄っている人の声。
夫婦ゲンカをしている声。
テレビを見て笑っている人の声。

様々な生活の声を消すかのように、蝉が鳴く。
裏の竹林は蝉のコンサートを開いているのかと
思うくらい、一瞬足りとも静かな時間は訪れない。
昨年も一昨年も蝉は鳴いていた。人間が激動の3年間を生きている中でも変わらずしっかりと鳴き続けていた。

また、来年も同じ季節に耳にするのだろう、
人間の生活の声を消すコンサート。
人間にとってはただの蝉の声かもしれない。
夏の風物詩かもしれない。だが、私は毎年変わらず鳴く、その声がとても頼もしく感じる。

私が来年も今年と同じように生きている保障なんてないから。

生活の声を消すくらいの大音量。
来年は、どんな思いで耳にしているのだろう。
静けさを取り戻し、笹がぶつかる音が風情に感じる涼しい季節に、未来を想う。

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