3.
『もし明日晴れたら、晴天だったら君の元へ羽ばたこう。』
そう決めてから、何度『明日」が過ぎただろう。
元々晴れる日の少ない私の街は雨の日が毎日続いた。
晴れるのが年に数回しかない私の街で、私の生きがいだった親友は死んだ。
私を置いて自殺した。
その日は年に数回しか晴れのない中で1番の晴天だった。
私は親友がいなくなり、生きる意味のないただの「人』
の形をした生き物になっていた。
こんな世界で生きるくらいなら、私は親友ので幸せに生きたい。
ただ、そう思いたった日から晴れの日が無くなった。
親友が私に死ぬなと言っているかのようにタイミング
よく晴れの日は無くなった。
晴れの日がこないとわかっている今日も明日も、来年も、死ぬまで思い続けよう。
『もし明日晴れたら、晴天だったら君のことを忘れよう。』
2.
『お祭り」に行けることがみんなにとっての日常であるなら、私にとっては非日常だ。
体が弱い私は人の多いお祭りには行ったことがなかった。
クラスのみんながお祭りを楽しんでいる中、私は1人べットの上で本を読んでいた。
今年こそはお祭りに、そう何度も何度も祈ったけど、お祭りに行けることはなかった。
でも、今年の私の非日常はいつもとは違った。
いつもは見えないはずの窓から花火が見える。
部屋の扉がコンコンと2回鳴った。
「どうぞ。」
扉を開けたそばに1人の男の子が立っていた。
「行ったことないって言ってたから、食べれそうなの買ってきた。」
そういい机の上に屋台で売っているカステラを広げた。
初めて食べる屋台のカステラは、口の中でとろけるような甘さを出し消えた。
ずっと願っていた夢が今叶った、その瞬間視界は透明の水でいっぱいになり、ポロポロごぼれ落ちた。
私の横に座っている男の子が私の手をゆっくり握りこう言った。
「来年は絶対一緒に行こう。俺は、君のことが...」
私は最後の言葉を聞くことも無くその男の子に「ありがとう」とそっと微笑み静かに病室のベットで目を閉じた。
1.
朧月夜だったあの日、私は空の神様に向かって願い事をした、。
すると、薄い白いモヤのかかった空から神様が舞い降り、私にこう告げた。
『月とは残酷なものじゃ。満月であれば狼男が牙をむき、三日月であれば吸血鬼が飛び回る。新月になれば魑魅魍魎が闊歩する。不吉不吉と言われ続けた月でも、光輝く姿はほかの何よりも美しいものじゃ。君もいつか月みたいに輝ける日がくるじゃろう。自分で輝くことが出来なければ、太陽を見つけるのじゃ。月は太陽でも輝くことができる。君にとっての太陽は月にとってかけがえのない存在にもなるのじゃよ。』
とても綺麗に輝く月が、私に似ている月が本当はだいきらいだった。
1人じゃ何も出来ない自分が大嫌いだった。
ならば神様が私に告げた通り、太陽を見つけよう。
太陽さえ見つけることができれば、私は誰よりも輝くことが出来る。
あの朧月夜の日、神様が私に告げた言葉で、私の人生は大きく変わった。
幸せだと思える日が増えた。
どうか、どうか神様、もう1つだけ私の願いを叶えてください。
「この幸せを、永遠に。」