1.
朧月夜だったあの日、私は空の神様に向かって願い事をした、。
すると、薄い白いモヤのかかった空から神様が舞い降り、私にこう告げた。
『月とは残酷なものじゃ。満月であれば狼男が牙をむき、三日月であれば吸血鬼が飛び回る。新月になれば魑魅魍魎が闊歩する。不吉不吉と言われ続けた月でも、光輝く姿はほかの何よりも美しいものじゃ。君もいつか月みたいに輝ける日がくるじゃろう。自分で輝くことが出来なければ、太陽を見つけるのじゃ。月は太陽でも輝くことができる。君にとっての太陽は月にとってかけがえのない存在にもなるのじゃよ。』
とても綺麗に輝く月が、私に似ている月が本当はだいきらいだった。
1人じゃ何も出来ない自分が大嫌いだった。
ならば神様が私に告げた通り、太陽を見つけよう。
太陽さえ見つけることができれば、私は誰よりも輝くことが出来る。
あの朧月夜の日、神様が私に告げた言葉で、私の人生は大きく変わった。
幸せだと思える日が増えた。
どうか、どうか神様、もう1つだけ私の願いを叶えてください。
「この幸せを、永遠に。」
4/5/2024, 4:20:24 AM