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2.



『お祭り」に行けることがみんなにとっての日常であるなら、私にとっては非日常だ。

体が弱い私は人の多いお祭りには行ったことがなかった。

クラスのみんながお祭りを楽しんでいる中、私は1人べットの上で本を読んでいた。

今年こそはお祭りに、そう何度も何度も祈ったけど、お祭りに行けることはなかった。

でも、今年の私の非日常はいつもとは違った。

いつもは見えないはずの窓から花火が見える。

部屋の扉がコンコンと2回鳴った。

「どうぞ。」

扉を開けたそばに1人の男の子が立っていた。

「行ったことないって言ってたから、食べれそうなの買ってきた。」

そういい机の上に屋台で売っているカステラを広げた。

初めて食べる屋台のカステラは、口の中でとろけるような甘さを出し消えた。

ずっと願っていた夢が今叶った、その瞬間視界は透明の水でいっぱいになり、ポロポロごぼれ落ちた。

私の横に座っている男の子が私の手をゆっくり握りこう言った。

「来年は絶対一緒に行こう。俺は、君のことが...」

私は最後の言葉を聞くことも無くその男の子に「ありがとう」とそっと微笑み静かに病室のベットで目を閉じた。

4/5/2024, 11:49:36 AM