宵風に吹かれたい

Open App
8/19/2025, 10:09:24 AM

なぜ泣くの?
無邪気なあなたは私にそう言った。
悲しいの?どこか痛いの?
震えている今にも泣きそうな声で心配してくれた。
「大丈夫だよ。」笑ってそう答えられたら良かったのに。
出てきたのはそんな言葉じゃなかった。
「アンタのせいよ!!」
醜い私は、あなたを傷つける言葉を放つ。
あなたは悪くないのに、ごめんなさいって謝った。
違う、違うの。ごめんなさい。私が悪いの。
今更どうしようもないのに、小さなあなたに縋ってね。こんな醜い大人にはならないでね。
どんどん溢れて止まらない涙が邪魔だった。
そしたらあなたはまた尋ねたね。なぜ泣くの?

もう疲れたから。
育児に疲れた私には、どうすることもできなかった。
ごめんね。ダメな母親で。

8/18/2025, 5:04:02 PM

何も見えない真っ暗闇の中。
僕は君を目指して走り続ける。
いつか、君に追いつくため。今は辺りも見えないくらいどん底にいる僕だけど、君の足音だけを追いかける。
小さくなっていく君の足音を聞けなくなるその前に、君に追いついてみせるよ。
だから、少しだけ僕に時間をくれ。
あの幼い頃みたいに、君の隣を歩くから。
その時まで、

8/14/2025, 7:11:02 PM

君が見た景色はどんなだったのかな。
どんな色で、どんな輝きで、どんな物に見えていたのだろう。
僕と君で見たあの花火。キレイだったはずなのに、君は今にも泣きそうな顔をした。花火ではない何かを見ているような。
僕と同じ花火を見ていたはずなのに、君だけの何かを感じている様で少し寂しかった。
でも、君に聞くことなんてできなかった。
そこに踏み込んでしまえば、君は壊れてしまう気がした。
君が見た、感じた、その景色。
僕はいつかわかる日が来るのかな。
君の目から涙が溢れるその前に、君の見た景色を感じたい。

だから、まだ、もう少しだけ、
君の目に映るその景色を見させてほしい。

8/13/2025, 12:04:54 PM

頑張った時に、お父さんに「頑張ったから褒めて!」って言った事がある。
そしたら『本当に頑張った人は自分で頑張ったなんて言わない。他人が頑張ったねって言うんだよ。』なんて言われた。
そこから"頑張った"って言えなくなった。
その代わり、"頑張ったね"って言われるようにいろんな事をした。
いっぱい勉強をして、皆んなが羨むくらいのいい点をとった。
生徒会とか実行委員とかにも入ってみたりした。
家に帰ってからも家事をして、お母さんとお父さんに休んでもらった。
それでも、認めてもらえなかった。
「おー。これからもよろしくな。」だって。怒りが湧いた。でも、悲しくって何も言えなかった。

言葉にならないものが湧き上がって来た。
泣きたいのか怒りたいのかも分からなかった。

それでも、私はまだ頑張ってないから、もっといっぱい認められるまでやらなきゃいけない。

ずっと。

8/13/2025, 3:24:04 AM

俺の真夏の楽しみといえば甲子園。
毎年テレビの前で映画を観るときくらい音を大きくする。
でも、今年は思いとどまった。
去年、ばあちゃんが甲子園を観るのを怖がっていたから。
その時だけは、甲子園の点いているテレビを消してばあちゃんの話を聞いた。
どうやら、甲子園のサイレンは空襲の音に似ているらしい。今年89歳のばあちゃんは空襲に遭い弟を亡くしている。
そんな悲しい記憶や怖い記憶を思い出させたくない。
だから俺は今年、テレビに甲子園を映すことはなかった。
本当は観たいけど、今はそれより大切な事がある。

いつもより少し味気ない真夏。
それでも、ばあちゃんの真夏の記憶は俺の心に刻まれている。

Next