君の言葉が待ち遠しい。___
君とカフェに来た。私はサイダーを一口飲む。すると、シュワシュワとした冷たい炭酸が喉を痛くさせた。
無口な君は言葉も発さずコーヒーを飲む。
3回目のデート。最後の時間。これで何も言われなかったら、脈なし。今日でお終いなんだろう。
あの言葉を言ってほしい。だから時間をかけてサイダーを飲む。だんだんとぬるくなり、炭酸が抜けていく。
君はまだ何も話そうとしない。
焦ったい。嫌なら嫌と、そう言ってくれれば諦められるのに。でも、出来れば「好き」と言ってほしい。
どちらかの言葉が欲しい。結果だけを言って欲しい。
ぬるいサイダーはもう甘い液体。
無口な君の表情を探る。
ぬるい炭酸と無口な君との甘くて痛い時間。
こんな時間が欲しいわけじゃないのになぁ。
あぁ、君はとても美しい。
皆が羨む美貌を持ち、誰よりも誠実で純粋。そんな彼女に惚れないわけがない。
初めて君に会ったのは僕が散歩をしている時。君は友達と楽しそうに話していた。
話したことなんてない。でも、一方的に好きでいた。
僕は君を見るたびに熱い鼓動に襲われる。
君はいつでも美しい。
実物はもちろん、画面越しでも、写真でも君の全てが愛おしい。
あぁ、見るだけじゃ物足りない。触れたい。声を聞きたい。君の鼓動を感じたい。
だから、閉じ込めた。僕の家に連れてきた。
なぜか君は怯えている。でも、そんな君も美しい。
やっと、君の鼓動を感じれる。
君を僕だけのものにするために、君の腹部を貫いた。
君の赤い血が手につく。とってもキレイだ。
やっと、君の熱い鼓動を感じた。
結局全てはタイミング。
親におねだりをする時も、先生に当てられそうになる時も、今やっている音ゲーだってもちろんタイミング。
人生は選択のタイミングで決まる。
タイミングを合わせるのが上手い人は人生イージーモード。逆に下手な人はハードモード。
何やったって結局はタイミング。
その人にとって、良いタイミングか悪いタイミングか。
因みに、私は今変なイジられ方をした。タイミングは合っていない。
昨日まで大丈夫だったノリが、今日になってしんどくなった。自分の機嫌すらもタイミングだ。
こんなタイミングゲームの世の中で、上手に生きるには?
そんなの、知らないに決まってる。
知っていたとしたら、私は教室の隅で音ゲーなんてしていない。
今、私は大丈夫。って少しでも思った人。
あ、リズムが乱れたよ。残念だね。
虹の始まりには宝物がある。まだ、誰も見つけたことのない金銀財宝。それは虹の始まりなんて無いから言えた事。
でも、君はずっと虹の始まりを探している。
君は子供の頃絵本で見たあのお伽話を信じている。
だけど、ないものを探しても意味がない。あの日、そう言ってしまった。
「でも、希望がないと人は生きられないから。」
静かに、そして冷たく、君が言った。
そんな君の言葉が強く心臓に突き刺さった。
人間は誰もが何かに縋っている。大体は、自分が心動かされたものだろう。
きっと君は、それが子供染みていただけで、他の人となんら変わりはない。
それがないと君は生きていけないんだと悟った。
虹の始まり。それは君の生きる希望。
本当はないもの。でも、君が生きられるなら、なんでも良いだろ。
僕のオアシス。君が、君だけが、僕のオアシスなんだ。
家でも学校でも、どこへ行っても孤独だった。どこに居ても、誰と居ても、邪魔者扱い。苦しかった。
そんな僕が見つけた孤独でも許される場所。図書館。
そんなとこに現れた君。「この席、いいですか?」花のように柔らかな笑顔で言った君。可愛くって顔が火照った。声を出すことが出来ずに、精一杯うなずいて返事をする。
それからというもの、僕が図書館にいると君は必ず僕と相席をした。僕はいまだ何も話せずに黙り込む。
今まで図書館は「孤独でも大丈夫な場所」だったのが「孤独を埋めてくれる場所」になっていた。
君が僕のオアシスになってくれた。
君のことなんて、何も知らない。いや、知らないままでいい。もし、知ってしまった時、君がオアシスとは程遠い存在だったら…考えるだけで恐ろしかった。
孤独を埋めてくれる君には、僕の理想のままでいて欲しい。
ずっと、君のことをオアシスだと思っていたい。