私の隣にいる君がもう嫌いなの。
「双子」「姉妹」「親友」
言われ慣れた言葉たちが苦しいよ。
君の隣にいると苦しいんだ。
並んでいた言葉が、いつしか比較に変わったから。
君ばかりが可愛いとか、オシャレとか言われて、私はいつも馬鹿だ、デブだっていじられキャラ。
皆んなが笑ってると楽しいよ。それでも、時々どうしようもなく苦しくなるんだ。
あぁ、君も「そっち側」に回るんだ。
君が庇ってくれれば、私はまだ君が好きだったかな?
君のことはもう好きじゃないよ。
好きじゃないのに。君が隣に来た時、嬉しいから苦しいの。
白や青の小さく可憐な花。勿忘草には、伝説がある。
騎士ドルフは恋人デルタのために河岸で花を積んでいる最中、足を滑らせ川に落ちる。積んだ花だけを岸に投げ「Vergiss-mein-nicht!」私を忘れないで、とだけ言い残し川に流され亡くなった。
悲恋伝説。こんな間抜けな死に方が綺麗なんだって。
なら、私の恋人の方が、綺麗に決まってるじゃない。
私の病気、持ってっちゃうんだもん。
私に心臓、くれたんだもん。
ドナーになって、笑っていなくなった。
貴方がくれた小さな花。
ねぇ、今日も鼓動が穏やかだね。
忘れるわけないよ、私の愛しい人。
君に会いたいのは嘘じゃない。
君の顔を見たくないのも、嘘じゃない。
君の香水の匂いや、似ている髪型を見るたびに、君のことが脳裏に浮かぶんだ。
でもさ、酷い別れ方をしたから、君の顔を見れないんだよ。
いきなり連絡がつかなくなったと思えば、山奥で服を着ていない冷たくなった君が発見されたらしい。
嫌だ。嫌だ。嘘だろ?嘘だ。違う。違う!
お願いだ。一度でいいから、笑って、ポトフでも一緒に作ろう?
また、君の濡れた髪を乾かしてもいいだろ?
ねぇ、会いたいよ。
どしうて、勉強しなきゃいけないの?
___将来のためだよ。
どうして、先輩に敬語を使わなきゃいけないの?
___目上の人だからだよ。
どうして、あの子は嫌われているの?
___あの子が嫌な事をしたからだよ。
どうして、自分の体を傷つけちゃいけないの?
___…傷ついてほしくないからだよ。
嘘つき。
全てはこの社会で上手に生き残るための術でしかない。
勉強をすれば社会的優位に立てる。先輩を敬えば可愛がられる。あの子と関わったら次は私。人の心配をして良い子ちゃんを演じる。
ねぇ、どうして、アナタはそんなに醜いの?
___。
……そっか。
貴方は私の傷に気付かないでいい。
私の涙に気付かなくていい。
ただ私の隣で、笑いながら手を繋いでくれたらいい。
ただ「寒いね」って赤い鼻を見て笑い合えばいい。
あの日と同じように、降り積もる雪を見て子供のようにはしゃいでて?
そしたら、貴方の服についた香水と消臭剤の匂いも、部屋にある身に覚えのないリップも、変に乱れてるベットシーツにも、気付かないであげるから。
だから、どうか…ずっとこのままで___。