春爛漫。
桜の花びらがあまりに綺麗で、日差しが眩しい。絶好の入学式日和だろう。
少しの期待と不安を胸に、なんて棒読みの文章。
「一同起立。校歌斉唱。」その言葉で同じ制服の同じような髪型をした人間が一斉に同じ歌を歌う。
あぁ、恐ろしい。
僕もこの一部になるのだ。協調性という名の同調圧力の中で、同時に咲き誇るあの桜のように僕もこの木の花びらとなる。
花びらが散る。それと同時に僕は僕を失ってしまうのではないだろうか。
自分との別れと自分との出会いの季節。
僕はまだ、それを美しいとは思えないのに。
私の隣にいる君がもう嫌いなの。
「双子」「姉妹」「親友」
言われ慣れた言葉たちが苦しいよ。
君の隣にいると苦しいんだ。
並んでいた言葉が、いつしか比較に変わったから。
君ばかりが可愛いとか、オシャレとか言われて、私はいつも馬鹿だ、デブだっていじられキャラ。
皆んなが笑ってると楽しいよ。それでも、時々どうしようもなく苦しくなるんだ。
あぁ、君も「そっち側」に回るんだ。
君が庇ってくれれば、私はまだ君が好きだったかな?
君のことはもう好きじゃないよ。
好きじゃないのに。君が隣に来た時、嬉しいから苦しいの。
白や青の小さく可憐な花。勿忘草には、伝説がある。
騎士ドルフは恋人デルタのために河岸で花を積んでいる最中、足を滑らせ川に落ちる。積んだ花だけを岸に投げ「Vergiss-mein-nicht!」私を忘れないで、とだけ言い残し川に流され亡くなった。
悲恋伝説。こんな間抜けな死に方が綺麗なんだって。
なら、私の恋人の方が、綺麗に決まってるじゃない。
私の病気、持ってっちゃうんだもん。
私に心臓、くれたんだもん。
ドナーになって、笑っていなくなった。
貴方がくれた小さな花。
ねぇ、今日も鼓動が穏やかだね。
忘れるわけないよ、私の愛しい人。
君に会いたいのは嘘じゃない。
君の顔を見たくないのも、嘘じゃない。
君の香水の匂いや、似ている髪型を見るたびに、君のことが脳裏に浮かぶんだ。
でもさ、酷い別れ方をしたから、君の顔を見れないんだよ。
いきなり連絡がつかなくなったと思えば、山奥で服を着ていない冷たくなった君が発見されたらしい。
嫌だ。嫌だ。嘘だろ?嘘だ。違う。違う!
お願いだ。一度でいいから、笑って、ポトフでも一緒に作ろう?
また、君の濡れた髪を乾かしてもいいだろ?
ねぇ、会いたいよ。
どしうて、勉強しなきゃいけないの?
___将来のためだよ。
どうして、先輩に敬語を使わなきゃいけないの?
___目上の人だからだよ。
どうして、あの子は嫌われているの?
___あの子が嫌な事をしたからだよ。
どうして、自分の体を傷つけちゃいけないの?
___…傷ついてほしくないからだよ。
嘘つき。
全てはこの社会で上手に生き残るための術でしかない。
勉強をすれば社会的優位に立てる。先輩を敬えば可愛がられる。あの子と関わったら次は私。人の心配をして良い子ちゃんを演じる。
ねぇ、どうして、アナタはそんなに醜いの?
___。
……そっか。