松坂 夏野

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5/12/2024, 3:43:53 PM

道にたんぽぽが咲いていた。

葉が赤くなるのを見るともうそんな季節か、と思うし
こうしてたんぽぽを見ると、また季節が一巡してきた
と思う。

ただそこには子どもの頃感じたような、
ワクワクする感覚はもう、ないような気がする。

あるいはうまく見つけることが
できなくなっているような気がする。

子どもの頃の方が、変化に敏感で
感じたもの全てが新鮮で、きらきらとしていた。

大人になってからは少し世界が色褪せて見える
そんな気がする。

けどだからといってそれが悪いことだとは一概には言えない。
感覚で「綺麗」と感じたものもあれば、
そこに隠れる「過程」を知り、それを含めて「綺麗」
なのだと思えるものもある。

特別じゃなくても、あらゆる経験から、そのときの風景や言葉を思い出して
すべてが合わさるからこそ「綺麗」な思い出になるものもある。

子どものままでよかったのか。そうじゃないのか。

きっと大人になったからこそ増えた喜びがある。
そうやって今を受け入れられるようになりたいな。

【子供のままで】

5/9/2024, 1:45:53 PM

それは生まれて一度も経験したことのない
出来事だった。

母に内緒で夜中外へ出た時とも、
学校へ行かず制服のままお出かけした時とも違う。

それらとは比べ物にならないほどの刺激。

私はこれまで道から逸れるようなことをせずに
ありきたりな言葉を使うと、
敷かれたレールを歩くだけの模範生だった。

それがいつからこうなってしまったのか
どこでレールを踏み外したのか、
今となっては分からない。

ただあの瞬間、それに惹かれてしまったのだ。

出会うべく出会ったかのように。
それはおとぎ話の中の主人公みたいに。

今日も私はそれを求めてただ歩く。
その行為をしたあとの罪悪感を消すように、
ただ、歩く。

そして今日も忘れられず、同じ過ちを繰り返すのだ。

あのお腹の奥底から燃えるような、刺激を求めて。


【忘れられない、いつまでも】
【辛ラーメンが、食べたくて】

5/4/2024, 3:42:10 PM

声が聞こえる。
それは特に皆が寝静まった頃、
見計らったかのように聞こえる、声。

風が控えめに歌い、それにつられて木々も歌う。

そうした声に耳を傾けながら夜を嗜んでいると、
また別の声が聞こえてくる。

それはだんだん大きくなって、次第に声は
言葉に変わる。

耳を澄ませば聞こえる声。

夜は自分の心の声に耳を傾ける手助けをしてくれる。

4/27/2024, 3:30:28 AM

善意が時には悪になる

悪いことをしているつもりはない

けれども、善かれと思ってしたことが

誰かの心を刺す棘になることもある 

それは果たして、悪なのか、それとも悪ではないのか

考えるけど、いつも答えは見つからない

4/25/2024, 5:44:10 PM

願うことは苦手だ。

この苦手を因数分解すると、願うこと自体が苦手
というよりは、
「願ったのに叶えてくれなかった」と、
不幸の責任を願った先に負わせようとする
自分の他責気質が掘り起こされるのが、バツが悪くて
苦手だ。

「お金持ちになれますように」とずいぶん前に
願ったけれど、平凡にOLをしているし
「イケメンと結婚」を願っても好みの人と出会うのは
至難の業だし

「身の回りの人たちが健康に生きますように」
と毎年神様にお願いしたのに友人は亡くなった。

したのに、って誰かを責められるほど
自分が相手を見てきたかと言われると全く自信がない。

願いは叶えてもらうものではなく、
自分から叶えにいくものなのだ。

叶わなかったなら、それは
誰のせいでもないときだってあるのだから
自分のなかで気持ちに折り合いをつけて
うまく付き合っていくしかないものなのだ。

そう分かっていながらも責めてしまう
自分の心と向き合うことから逃げてしまう
自分のことが、苦手だ。

けれども願い事というのはしてしまうもので

例えば流星群のお知らせがあったときは夜空を見つめ
流れ星に願いを届けようとする。
叶わないと分かっていても縋るように願う。

「もう一度、会えますように」

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