最悪
人生には決断をせまられる時があります。すべてがうまく行くわけではありません。怖れるべきことは自分で決断できなくなることです。将来のことは予測不可能であり、正しい判断はないのです。人が決断するときには、一定の手順をふみます。しかし、決まった枠にとらわれるとうまく行かなくことがあります。往々にして決断は正しい手順をふんだかによって判断されます。正しい判断がないとしたら、正しい手順をふんだかによって評価されます。だから手順が大切なのであり、枠組みが大切なのです。私たちは自分の考えることは、この枠組みの中であることを知って、この枠組みを良く考えることが必要とされているのです。
誰にも言えない秘密
自分以外の人については分からないが、私は欠点の多い人間だ。だから人1倍に自分を変えてゆくことに努力した。人間はその気になれば自分を変えていくことができる。だから過去の自分と今の自分のどちらが本当なのか分からなくなる。過去の失敗や後悔から学び、改善してきた。秘密の努力を続けて自己変革を遂げた。誰もが“みにくいアヒルの子”で、誰もが“ダイヤモンドの原石”なんだと思う。自分を磨いて、やがて美しい白鳥になるのだと思う。
狭い部屋
私は、1980年東京で暮らす最も不幸な青年の1人であった。私はコンピュータの仕事をしていたが、コンピュータの知識はなかった。また知ろうともしなかった。私は自分の仕事を軽蔑していた。いまだに思い出すのは、壁に吊るしていた何本かのネクタイである。朝、私がネクタイを取ろうとして手を伸ばすと空腹のために倒れた。私は毎晩、失望・悩み・苦悩を抱えて孤独な部屋に戻ってきた。今思うと、狭い部屋は私にとって貴重な経験だった。自分の弱いところを知って、それを克服するためにもがき苦しんだ。自分の居場所が見つからない若者たちに、私の経験が少しでも参考になればと思う。
失恋
とても美しい女性がいた。彼女はみんなの憧れの人だった。私は彼女に好かれようと色々と努力した。しかし、高貴な彼女にふさわしい人は他にいた。失望した私は友人に話した。友人はそれは魂の問題だよと教えてくれた。人間はソウルメイトという双子なんだ。自分にふさわしい人は双子の片方として何処かにいるのだよと。私は彼女のことは永遠のマドンナとして胸にしまっておくことにした。彼女はいつも私を励ましてくれる。
正直
みんなはもう忘れたかもしれない。あんなにも純粋に生きた日々を。アダムとイブは楽しく楽園で暮していました。そこには神さまが丹精こめて育てたリンゴの木がありました。神さまの木だから、リンゴを取ってはいけませんよ、と天使たちから言われていました。しかし、どうしたことか、魔がさしたのかイブが食べてしまいました。恥ずかしくなったイブはアダムに話しました。アダムはイブを愛していたのです。イブの苦しみをかばうかのように、アダムもリンゴを食べました。それから、しばらくたって平静さをとりもどしたのでしよう。良心が責めたのかもしれません。恥ずかしくなって遠くに行くことにしました。さしずめ現代でしたら、お酒でも飲んで忘れたかもしれません。しかし、アダムとイブは真面目な人でした。今から思えば他愛のないことです。そんなに思い詰めることもなかったのです。私はいつか、神さまも分かってくださると思っています。