君に贈るプレゼント。何がいいかな?
黒百合、睡蓮、月桂樹、カルミア、紫陽花なんかもいいかも。彼岸花、アザミ、黒バラ。でもやっぱり君には、この花を贈るよ。
スノードロップ。
花言葉は、「あなたの死を望みます。」
僕は、イジメられています。
紙に書いては消す言葉。誰かに話したいけど、僕は弱いから、僕には価値がないから、人に迷惑をかけれない。毎日を普通に過ごせていたあの日々が本当はとても幸せだったのだと噛み締めながら、今日もあいつらと一緒に帰る。
「ほらぁ?もっと頑張れるだろ?歯ァ食いしばれ。」
ニコニコとまるでおもちゃで遊んでいるように、いつも僕を蹴ってくる君。苦しい…心臓がドキドキと今にも破裂しそうな程。息が苦しい。
「お前らもう帰っていいよ。あとは俺がするからさ。てか、帰れよ。」そう言って帰らせたあとは、ひたすらに僕の現実を突きつける君。
「お前は弱いから、俺みたいな強者に虐げられるんだよ。わかるか?こんな現状が嫌だとか思うなよ?だって、お前が悪いから。全部お前のせいなんだよ?お前が俺にへりくだるのは、お前が俺の事を強者だと認めているから。な?だから、逆らおうなんてすんなよ。」
…
「なぁ、なんか言えよ」そう、不機嫌そうに言う君の顔をただひたすらに見つめながら僕は口角を上げる。「そ、そんなことしませんッ!」だって、せっかく好きな人の近くに居れるチャンスなんだから。
いじめを話したい。自慢したい。君は僕の存在がなくなったら社会的に死ぬんだよ。僕を弱者と言うけれど本当は、僕が君を鎖で繋いでるんだ。
ピリピリとした空気が漂う。今にも心臓が口から飛び出そうな程である。君が私を庇う瞬間に向けたあの表情を忘れることができずに。私は自分の心拍数を数えながら、「大丈夫。大丈夫」とただひたすらに唱えることしか出来なかった。
君の未来がかかっているこの瞬間はきっと、私の人生の中1番、時の流れを遅くした。赤いランプが消え、先生がやってきた。「先生ッ!あの子は、彼はどうなりましたか、?」
私は彼の親御さんより先に先生に駆け寄って質問を投げかけていた。どんどん心拍数が上がって呼吸が浅くなる。
眠っている君の横顔は、なんて美しいんだろう。
まるで天使のような。そう、君は天使になってしまったのかな。地上にはもう二度と舞い降りることのない天使に。
私はまた心拍数を数える。「大丈夫。大丈夫。私のせいじゃない、」
君は学校中の人気者。
そして、私は日陰者。
でも、そんな私にも君はみんなと同じように接してくれた。それがとても嬉しかった事を覚えている。夏の廊下は蒸し暑く、誰も教室から出ようとしないのに、君はわざわざ私の教室まで来ては、にこりと笑って手招きをしてくれていた。
ただ、そんな私を良く思う人などいるわけがなく、いつしか私はイジメられるようになった。それは耐えれた。何故か。君が私の事を必要としてくれているかのように、毎日迎えに来てくれていたから。
そんな考えが甘かった。どんどんエスカレートしていくイジメ。笑い者にされ、貶され、惨めな思いばっかりするようになった。それでも君は、私の変化に気づかず、傍にいた。
「ねぇ、アンタさ、王子の前で階段から転げ落ちてよ。そしたらイジメ無くしたげる。」
主犯格の子がそう、私に提案してきた時、すぐに受け入れた。だって、私の変化にも気づかずに、ずっといるやつなんて迷惑でしかないのだから。
頭から血を流す彼。
「大丈夫、大丈夫。私のせいじゃない。私のせいじゃない。」
手の震えが止まらない。
僕は書斎の上にある1枚の紙と向き合っている。この紙を提出する事はどれだけ勇気がいるのだろう。現在は1月10日。僕の年齢は15歳だ。そう。受験生。僕が今向き合っている紙とは志願理由書のとこだ。この紙に僕の未来がかかっている。そう思うと震えが止まらなくて、夜も眠れないのだ。
おはよう。振り向くと担任がこちらに挨拶をしていた。
「志願書。できたか?」そう、担任が僕に優しく声をかける。僕は、震える手をグッと抑え提出した。「ありがとう。しっかりお前の意思を預かった。あとは面接練習だ。お前ならできるよ。」
その言葉に、僕は救われた気がした。
受験頑張れ。
寝る時は、だいたいの人が目を瞑るだろう。僕だってそうだ。部屋を暗くして、目を瞑る。でも、そうしたら今日あった嫌なことや、いつの日か失敗してしまったことなど、頭の中でぐるぐると思考してしまって、涙を流しながら眠りにつく。今から僕が話すのは、昨日見た夢の話だ。
ふわふわな雲の上に乗っていた僕は、心の余裕があってとても笑顔だった。そうしたら、空からキャンディーが降ってきて、それを1口食べると、一瞬にして場面が切り替わった。
次は街外れの小物屋の子供になっていた。そこでは、自由気ままに楽しく仕事を手伝っている僕の様子があった。すると、またキャンディーが降ってきて、僕は急いで食べた。
次はサーカス。次はアニメの世界。次は、親と楽しく暮らしている僕。また、僕はキャンディーを食べた。すると、どうだろう。母と父が喧嘩している場面から始まった。
「なんでアンタはいっつも私を傷つけるの?!何がわかった?何が次からよ!!何も分かってないじゃない…!そんな口先だけの言葉。もう飽きたのよッ!」母が机を強く強く叩いた。父がため息を漏らしている。そんな中、僕は何も言えず、ただひたすらにキャンディーを舐めていると、「うるさいッ!」と母に怒鳴られ頬を思いっきりぶたれた。とても痛かった。粉々になってしまったキャンディーを見ながら僕は思った。ずっと夢の中に居たいなぁ…