星乃 砂

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5/2/2024, 9:44:56 AM

カラフル

 カラフルとは色彩豊かな、色鮮やかな、派手なという意味である


綾乃 「みんな、オヤツ持ってきたわよ。」

紀信 「ありがとう、お姉ちゃん。」

翔・メイ 「いただきます。」

綾乃 「あれっ、咲は?」

紀信 「咲はトイレだよ。」

綾乃 「あんたたち、ゲームばっかりやってないで、それ食べたら少しくらいお日様のパワーを充電してらっしゃい。」

翔 「みんなでサッカーやろうぜ。」

メイ 「アタシは咲ちゃんとお砂場でオママゴトする。」

紀信 「お姉ちゃん宿題は終わったの?」

綾乃 「宿題じゃなくて課題ね。
テーマがない自由課題だから、なに描いていいか迷うのよね。あんたたちも何か考えてくれる?」

翔 「どんなのがいいの?」

綾乃 「そうねぇ、夏だから明るくてカラフルな感じがいいな。」

メイ 「わかった咲ちゃん一緒に考えようね。」

咲 「うん、でも大変そうよ。」

メイ 「大丈夫だよ。アタシに任せて。」

綾乃 「ありがとう。じぁよろしくね。」

***翔と紀信はインターネットで画像検索してカラフルな鳥やビー玉・お菓子などを教えてあげた。***

綾乃 「この珊瑚はとってもキレイでよさそうね。ありがとう。咲たちはどこ行ったのかしら?」

咲 「ねェメイちゃん、なんか変じゃない?」

メイ 「そんなことないよ。とってもカラフルでしょ。」

咲 「なんか違う気がするんだけどな。」

メイ 「お待たせ〜。」

***メイちゃんはとんでもない格好で現れたのである。
黄色いボウシ
水色のシャツ
赤いスカート
緑色の靴下
紫のマフラー
ピンクの手袋  ***

メイ 「どう?とってもカラフルでしょ。」

綾乃 「アハハ メイちゃん€☆〆^$♪×...」 

           おわり





5/1/2024, 3:22:05 AM

楽園

流星 「ただいま。」
美月 「あっ帰ってきたね。」
明里 「きたきた、おばあちゃん
    いらっしゃーい。お父
    さん、おかえり。」
祖母 「明里〜大きくなったね〜
    お菓子食べるかい?」
明里 「ヤーダーアタシもう16才
    だよー。」
美月 「お母さんお久しぶりです
    夕食は、山菜おこわと、
    だんご汁を作ってみまし
    た。お口に合うといいで
    すけど。」
流星 「おいおい、寿司でも取っ
    た方がいいんじゃないの
    か?」
祖母 「何言ってんだい流星、わ
    たしは山菜おこわが好物
    なんだよ。」
明里 「はい、お父さんの負け〜
    おばあちゃんこっち来て
    我が家からの景色をご堪
    能あれ〜。」
祖母 「わーホントだ周りの家が
    ちっちゃく見えるね。」
明里 「でしょう、25階ザッと
    75mですからね。」
祖母 「へぇー、内の裏山より高
    いんじゃないのかい?」

   ーーー夕食後ーーー

流星 「もうそろそろ、一緒に
    くらさないかい?母さん
    の為に和室を空けてある
    んだよ。」
祖母 「またその話しかい。わた
    しは田舎の方がいいんだ
    よ。」
流星 「俺が高校を卒業するまで    
    は、都会に住んでいた
    じゃないか。そういえば
    あの時、どうして田舎に
    越したんだい?」
祖母 「田舎の方が空気が美味し
    いんだよ。」

   ーーー翌朝ーーー

美月 「あらっ、お母さんもう
    起きたらしたんです
    

か?。」
祖母 「おはよう美月さん。」
美月 「すぐに朝ごはん用意しま
    すからね。テレビでも見
    ていて下さいね。」 
祖母 「ありがとう美月さん。」
 草木に水をあげられないけど、
 大丈夫かねー。小鳥たちに餌も 
 撒いてあげられないし、富さん
 の足はだれが揉んであげてるの 
 かねー。

   ーーー3日後ーーー

祖母 「美月さんお世話様になり
    ました。」
明里 「おばあちゃん、夏休みに
    遊びに行ってもいい?」
祖母 「いいよ、友達も連れてお
    いで。」

   ーーー2週間後ーーー

プルルルル、プルルルル、ガチャ

美月 「はい、もしもし、三ヶ月
    です。」
叔父 「ああ、美月さんかい。
    大変なんだ、お宅のばあ 
    さんが倒して救急車で運
    ばれて行った。」

   ーーー病 院ーーー

流星 「先生、母の容態はどうな
    んでしょうか?」
医師 「少し疲労が溜まってだけ
    のようです。2〜3日で
    良くなるでしょう。」
流星 「一緒に暮らそうと言って
    るんですけどね。」
医師 「東京にお住まいですよ
    ね。お母さんから病気の
    ことは聞いていません
    か?」
流星 「何のことですか?」
医師 「お母さんは若い頃の仕事
    が原因で肺を患っている
    のです。」

流星 「母さんどうして話してく   
    れなかったんだよ。」
祖母 「話したってどうにもなら
    ないだろ。心配かけるだ
    けじゃないか。」
流星 「出来るだけこっちに来る
    ようにするから。」
祖母 「わたしは大丈夫だからお
    前は、自分の家族を大事
    にしなさい。」
流星 「母さん。」
祖母 「ここには、幼馴染み
    だって居るんだ、みんな
    でのんびり暮らすよ。こ
    こがわたしの楽園なんだ
    からね。」

           おわり




4/30/2024, 3:36:53 AM


風に乗って

翔  「行け!」
メイ 「がんばれ!」
飛鳥 「根性ー!」
3人 「「「飛べ〜‼️」」」

  ーーーーーーーーーー

メイ 「お兄ちゃん待ってよ。」
翔  「だから付いてくるなって
    言っただろ。」
メイ  「だって、アタシだって
    見たいもん。」
飛鳥 「メイちゃんもうすぐだ
    から頑張ろうね。」
メイ 「うん。」

3人は小学校の裏山を登っている

翔  「着いたぞ。」
メイ 「やっと着いた。
    どこ?どこにいるの?」
飛鳥 「ほら、あそこだよ。」

飛鳥が木の上に指を指す。そこには鳥の巣があり、雛がピーピー鳴いている。

メイ 「あっ、いた。カッワイイ
    ー。」
飛鳥 「アイツ、まだ飛べないの
    か。ほかの3匹はもう
    飛んだのにアイツだけま
    だ飛べないんだ。」
翔  「アイツは根性なしなん
    だ。弱虫なんだ。」
メイ 「そんな事ないもん!
    飛べるもん。」
飛鳥 「みんなで応援してあげよ
    うよ。」
メイ 「うん。そうしよう。」
翔  「そうだな、アイツが
    飛べればオレだって
    サッカーのレギュラーに
    なれる気がする。」
飛鳥 「僕だって逆上がりが
    頑張れる。」
メイ 「アタシだって、アタシ
    だってニンジン食べれる
    ようになる!」

翔  「行け!」
メイ 「がんばれ!」
飛鳥 「根性ー!」
3人 「「「飛べ〜‼️」」」

バサバサバサー
メイ 「やったー飛んだよお兄   
    ちゃん。」
翔  「アイツやりやがった
    な。」
飛鳥 「僕たちの上をグルグル
    回ってるね。」
メイ 「きっと、'ありがとう'っ
    て言ってるんだよ。」

その時、強い風に乗って空高く舞い上がっていった。

翔  「じゃあなー!来年また
    来いよー。」
メイ 「お兄ちゃん、あの鳥は何
    ていう鳥なの?」
翔  「知らない。」


           おわり

4/28/2024, 1:21:38 PM

刹那

オヤジが死んだ。
野鳥の写真を撮りに行って足を滑らせて崖から落ちたのだ。カメラを後生大事に抱えて、なんでだ!普通なら頭を守るだろうが。
「このカメラはおじいちゃんの形見なんだよ。」泣きながらおふくろが言った。そんな事を聞いたらなんだか手放せなくなった。
オヤジが最後に何を見たのか?フィルムを現像してみた。野鳥の写真が数枚と最後は何もない空の写真だ。周りが気にならないほど興奮して何を撮りたかったのか。

カメラには興味はない。まして野鳥など撮って何が面白いのか?図鑑を見れば済むことではないか。でも、不思議な事にハァインダーを覗くと、胸の高鳴りを抑えきれないほど興奮するのだ。ファインダーの中に見えない何かが写っている、そんな気になるのだ。
一年後オヤジと同じ場所に立った。見えないなにかを見るために。オヤジが見ていたであろう方向を向いてカメラを構えてじっと待つ。
"バサバサバサー"一羽の鳥が空へ飛び立った。慌ててシャッターを切る。その刹那ファインダー越しにオヤジの笑顔が写った。

           おわり

4/28/2024, 11:00:48 AM

生きる意味

キィィィー!

ここはどこ?
どうしてあそこにアタシがいるの?
えぇーやだー!買ったばかりのワンピースが血だらけじゃない。
ギェ〜☆€4^#♪€〆*☆!⁉️‼️
アタシ死んじゃったの?


  ーーー 3年前 ーーー

「メイちゃんいつまで寝てるの、もうお昼よ。」
ドドドドドッ!階段を降りてくるなり、「いってきまーす。」
「ちょっとメイちゃんご飯は!」
「いらなーい。」
「まったく、もう5月だというのに就職も出来ずに毎日プラプラして、お前が甘やかせすぎなんじゃないのか。」
「まぁ、あなたはすぐにわたしのせいにするけど、あの子の要領が悪いのはあなたに似たんですからね。」

「ファ〜...」
「何ため息ついでんのよ。」
「だって〜就職は出来ないし、家にいても親がうるさく言うし。」
「あっ!席空いた。」
「ダメよ!お年寄りに譲らなきぁ。どうぞ。」
「あっ、どうもありがとう。」
「あんた、何社落ちたんだっけ?」
「17社...」
「まあよく落ちたねー。最も半分は無謀な挑戦だったけどね。あとのは、ヒールの踵が取れたり、道に迷ったおばあちゃんを助けたり、あとは...。」
「アーちゃんもうやめてよー。」
「あっ!忘れてた、あたしのママがあんたにどうかって、事務員の募集。なんでも、できちゃった婚で急に辞めることになったんだって。この時期に正社員の募集だよー。ラッキーだよ。」
「四つ葉設計事務書か。よし、最後だと思って頑張る。」
「あんたは、要領が悪くてドジだけど、人の為に頑張れる子だ。要領は悪いけど。」
「何度も言うな!着いたから降りるよ。」
「ちょっと待ってよ。」
「ねェねェ、さっきあんたが席譲ったおじさんやたらとあんたのこと見てなかった?」
「やっぱり、気のせいじゃなかったんだ。なんかやな感じ。」
「あれは変態オヤジだね。」
「やーだーやめてよー。」

  ーーー面接当日ーーー

「メイちゃんいつまで寝てるの、面接遅れるわよー。」
「もう起きてるわよ。いってきまーす。」
「ちょっとご飯は、忘れ物はないのー。あらっ、もう行っちゃったわ。」
「セッカチなのはお前に似たんだな。」
「なんか言いましたか?」
「何も言ってませ~~ん。」

「アーちゃんからメールだ。」
“メイ 運を使い果たしてこい!幸運を祈る。“
ありがとうアーちゃん

コンコンコン
「はい、どうぞ。」
「失礼致します。彩月メイです。よろしくお願い い た し... あ〜電車の変たぃ... おじさん。」
「やっぱり君だったか。履歴書を見た時に電車で席を譲ってくれた子かなと思ってたんだ。彩月メイくん。」
「は はい。」
「採用。」
「しゃ社長いいんですか?」
アーちゃんどうやら本当に運を使い果たしたようです。」


あれからもうすぐ3年になるのに要領が悪くてドジでおまけに運まで使い果たしたアタシは失敗の連続で、先月はとんでもないことを聞いてしまった。
 (社長、彩月さんですが、もう3年になるのに仕事は遅いし、要領悪いしで困ったものです。)
 (新しい事務員の話ですが...)
ガーン‼︎人事課の優夜さんまでそんな事を考えていたなんて。うちの会社に事務員は2人もいらない。優夜さんは社長の甥で若いながらに人事を任されている。とっても優しくってアタシによく声をかけてくれる、たまに食事にも誘ってくれる。ちょっと好きだったんだけどな。

「春風 美波です。よろしくお願いします。」本当に、新人が入ってきた。要領がよくテキパキと仕事をする。どうやらジ・エンドのようだ。最後に優夜さんには自分の気持ちを伝えよう。最後の悪足掻きだ。PM7:00重たい足を引きずるようにして約束の場所へ向かう。あっ、優夜さんが横断歩道の向こう側に... どうして美波ちゃんも一緒にいるの?そういえば優夜さんも春風... ふたりは夫婦?
終わった完全に終わった。

キィィィー!

ここはどこ?
どうしてあそこにアタシがいるの?
えぇーやだー!買ったばかりのワンピースが血だらけじゃない。
ギェ〜☆€4^#♪€〆*☆!⁉️‼️
アタシ死んじゃったの?
あーダメ気が遠くなってきた。

うぅ〜ん。ここは病院?お父さんとお母さんが先生と話してる。
「手は尽くしましたが、今夜が峠だと思って下さい。」
アタシまだ死んではいないのか。でもアタシなんか生きてたって
’ガチャ’「メイー!死んじゃダメだよー。一緒に買い物行くって言ったじゃん、旅行に行くって言ったじゃん、子供も同じ年に産もうって言ったじゃん、ちゃんと約束守ってよー!ワァ〜!」
アーちゃんそんなに泣かないでよ、アタシまで泣けてきたじゃない。
「お兄ちゃん、彩月さん大丈夫だよねぇ。」
「当たり前じゃないかメイさんがいない世界なんて考えられない。僕の運を全て使ってでも必ず助ける。」
「そうだよメイ、あたしの運も全部あげるから、起きてよー!」
優夜さんと美波ちゃんて兄弟だったの。アタシ生きてていいの?
アタシも優夜さんが好き。アーちゃんが好き。生きたい。アタシ生きたい!

           おわり






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