楽園
流星 「ただいま。」
美月 「あっ帰ってきたね。」
明里 「きたきた、おばあちゃん
いらっしゃーい。お父
さん、おかえり。」
祖母 「明里〜大きくなったね〜
お菓子食べるかい?」
明里 「ヤーダーアタシもう16才
だよー。」
美月 「お母さんお久しぶりです
夕食は、山菜おこわと、
だんご汁を作ってみまし
た。お口に合うといいで
すけど。」
流星 「おいおい、寿司でも取っ
た方がいいんじゃないの
か?」
祖母 「何言ってんだい流星、わ
たしは山菜おこわが好物
なんだよ。」
明里 「はい、お父さんの負け〜
おばあちゃんこっち来て
我が家からの景色をご堪
能あれ〜。」
祖母 「わーホントだ周りの家が
ちっちゃく見えるね。」
明里 「でしょう、25階ザッと
75mですからね。」
祖母 「へぇー、内の裏山より高
いんじゃないのかい?」
ーーー夕食後ーーー
流星 「もうそろそろ、一緒に
くらさないかい?母さん
の為に和室を空けてある
んだよ。」
祖母 「またその話しかい。わた
しは田舎の方がいいんだ
よ。」
流星 「俺が高校を卒業するまで
は、都会に住んでいた
じゃないか。そういえば
あの時、どうして田舎に
越したんだい?」
祖母 「田舎の方が空気が美味し
いんだよ。」
ーーー翌朝ーーー
美月 「あらっ、お母さんもう
起きたらしたんです
か?。」
祖母 「おはよう美月さん。」
美月 「すぐに朝ごはん用意しま
すからね。テレビでも見
ていて下さいね。」
祖母 「ありがとう美月さん。」
草木に水をあげられないけど、
大丈夫かねー。小鳥たちに餌も
撒いてあげられないし、富さん
の足はだれが揉んであげてるの
かねー。
ーーー3日後ーーー
祖母 「美月さんお世話様になり
ました。」
明里 「おばあちゃん、夏休みに
遊びに行ってもいい?」
祖母 「いいよ、友達も連れてお
いで。」
ーーー2週間後ーーー
プルルルル、プルルルル、ガチャ
美月 「はい、もしもし、三ヶ月
です。」
叔父 「ああ、美月さんかい。
大変なんだ、お宅のばあ
さんが倒して救急車で運
ばれて行った。」
ーーー病 院ーーー
流星 「先生、母の容態はどうな
んでしょうか?」
医師 「少し疲労が溜まってだけ
のようです。2〜3日で
良くなるでしょう。」
流星 「一緒に暮らそうと言って
るんですけどね。」
医師 「東京にお住まいですよ
ね。お母さんから病気の
ことは聞いていません
か?」
流星 「何のことですか?」
医師 「お母さんは若い頃の仕事
が原因で肺を患っている
のです。」
流星 「母さんどうして話してく
れなかったんだよ。」
祖母 「話したってどうにもなら
ないだろ。心配かけるだ
けじゃないか。」
流星 「出来るだけこっちに来る
ようにするから。」
祖母 「わたしは大丈夫だからお
前は、自分の家族を大事
にしなさい。」
流星 「母さん。」
祖母 「ここには、幼馴染み
だって居るんだ、みんな
でのんびり暮らすよ。こ
こがわたしの楽園なんだ
からね。」
おわり
5/1/2024, 3:22:05 AM