ンジ「これって言っていいのかな」
ミコ「なによ」
ンジ「いやーずっと言いたくてうずうずしてたんだよね」
ミコ「だからなにって」
ンジ「ほんとにさ、ほんとに地球って」
ンジ幼少期「青い!青いよ!」
ミコ幼少期「静かにして!にげちゃうでしょ!」
ンジ幼「アッ...そうだねごめん」
ミコ幼「ちょっと、それ本気で言ってんの?すぐ謝る男ってだっ嫌い」
ンジ幼「ごめん...」
ミコ幼「また謝った。ランキング入りだわあなた」
ンジ幼「ランキングってなにさ」
ミコ幼「ダンゴムシとタメを張るくらい弱い生き物ランキング。ちなみに1位はあなた。2位はダンゴムシ」
ンジ幼「むちゃくちゃだよ」
ミコ幼「あっ!みて!」
視線の先には青い鳥
ンジ幼「水飲んでるのかな」
ミコ幼「いやあれは池にいる何かしらの超存在とアダプトするための行動に違いないわ」
ンジ幼「アダプト?何者かって?何?」
ミコ幼「なんでも聞くんじゃない!自分で調べなさいそれくらい」
ンジ幼「OKGoogle、アダプトとは」
Google「アダプトとは...」
ミコ幼「バカバカバカバカ!」
青い鳥がこちらを向く
青い鳥「パピヨンパピヨン」
ミコ幼「え?」
ンジ幼「なにその鳴き声」
青い鳥、羽を広げたかと思うと体を大きく回転させる。たちまちすごい風
ミコ幼「えー?!」
ンジ幼「なにその飛び方!」
青い鳥、ヘリコプターのようにしてとんでいく。空の彼方へ
ミコ幼「超存在...」
ンジ老「青い...」
ミコ老「...はい?」
ンジ老「僕の記憶の中では君はまだ青く光り輝いているよ」
ミコ老「そんなこと言ったって、若返りはしませんよ、残念だけどね。もう少し若かったら、逃げることが出来たかもしれないけどねぇ」
ンジ老「弱音なんて君らしくないじゃないか...ここは僕らの星。終わる時は、僕らも終わる時さ」
ミコ老「若い人達はみんなとっくに逃げてしまいましたけどねぇ」
ンジ老「まだ...青いから。」
ミコ老「1度だけ2人で宇宙旅行に行ったことがありましたねえ」
ンジ老「結局僕が2つ目の星で胃腸炎にかかって途中で終了になってしまったけどね」
ミコ老「地球は、青かった。それを確かめられただけで、それだけでも十分良かったのよ」
ンジ老「ははは...その言葉、懐かしいなぁ」
ミコ老「私は、日常にありえなさを求めているだけのジャンキーだった。ありえないを探すのが退屈しない方法だった。だけどね、そういうものって手にした瞬間に光が失われるのよ。」
ンジ老「そうかい?」
ミコ老「ふたりで青い鳥を探しに行った時があったでしょう?」
ンジ老「あのヘリコプターね」
ミコ老「そう、そのヘリコプター鳥を見た瞬間に私はジャンキーから目が覚めた。つまらなくなったのよ。神秘が、なくなってしまった。」
ンジ老「...」
ミコ老「宇宙旅行に行った時、私は久しぶりに輝きを見たの。私にとって地球の青さはありえなさと近いものがあった。宇宙にポカンと浮いてる地球は、永遠に私の近くにあるありえないになった。」
ンジ老「今、地球は青いのかな......」
ミコ老「よく見えるわ。まだ、青い。」
ンジ老「ふふ、きっとそうだ。君が言うならきっとそう。」
ミコ「よくそんなクサイ言葉いえたね」
ンジ「だから渋ったんだよ」
ミコ「言い訳」
ンジ「ごめんよ」
ミコ「ダンゴムシ」
ンジ「丸いね」
ミコ「ダンゴムシ?」
ンジ「地球だよ」
ミコ「うん...丸くて、いつまでも、青いわね」
ンジ「いつまでも?...うん、きっとそうだね」
ミコ「昔っから、青くて、分からない」
ンジ「ん?」
ミコ「ありえない、はこんなにも近くにあったかー」
ンジ「ふふ、ついに見つかったか。」
ブラックアウト。終幕。
カク「本、読む」
マル「窓、開ける」
カク「パラパラ」
マル「ヒューヒュー」
カク「いい風だなァ」
マル「ガチャ」
マル、音のする方を見る
カク「なんだい母さん」
マル「え、カステラあるの?」
カク「ここに持ってきてくれない?」
マル「...わかったよ行くよ。参ったなぁいま読み始めたばっかりなのに」
カク「本を読もうと思うといつもこうだ」
マル「あ〜カステラ美味かった」
カク「ささ、続き続き」
マル「待てよ?なぜ『カステラ』って名前なんだろ」
カク「調べてみるか」
マル「なるほど、」
カク「スペインの旧王国」
マル「カスティーリャからきてるのね」
カク「...(YouTubeを開く)」
マル「...(YouTubeを見ている)」
結構な時間
カク「あ、いけないいけない、今日は本を読む日にするはずだったろう」
マル「スマホは一旦終わりおわり」
カク「...(チラチラ前をみる)」
マル「...(チラチラ前をみる)」
カク、マル「今日はやけに自分と目が合うなぁ」
舞台中央の鏡にだけ光があたる
OL「ドギャー!怪獣よ!」
ヒーロー「まてぃ!」
課長「なんだあれは!」
部長「赤いマントに黒いベルト!あれは、あれは!」
副社長「変質者だー!」
課長「ケーサツ呼びましょう!部長!」
部長「いや!この怪獣騒ぎのときに警察などまともに動いてくれるものか!ねぇ!副社長!」
副社長「そのとーりだ!この非常事態に我が社が警察など呼んだらきっと批判されるにきまっとる!きっと社長もそう仰るはずだ」
部長「あれ、副社長。そういえば社長は?」
課長「あれ、ほんとだ、みえませんね、さっきまでいたのに」
副社長「社長は...さっき怪獣に踏み潰された」
OL「あのーすみません警察ですか?」
ヒーロー「ヒーローチョォォォプ!」
ヒーロー、OLの腕らへんをチョップ。ケータイを落とす
OL「あ、痛」
ヒーロー、ケータイを拾う
OL「え、画面割れてるんですけど」
課長「え」
部長「それはいけませんな、ね、副社長」
副社長「うむ。社長もそう仰るだろう」
ヒーロー「うわーまじですか、カバーとか貼ってないんですか。イマドキそんな人いないっすよ」
OL「ここにいるんですけど。ねぇ弁償してもらうよ」
ヒーロー「いやーまじごめん。許して、今月厳しいの。この通り。ごめん、ごめん」
OL「いやいや謝って済むなら警察いらないでしょ」
課長「もっともその警察を呼ぼうとしていたのだけどね」
ヒーロー「いやー警察はまじで、ちょっとごかんべん。いま仮釈中で警察呼ばれるとまた刑務所逆戻りになっちゃうのよ、だからごめん、ね、ごめん」
部長「犯罪者じゃないかキミ。ねぇ副社長」
副社長「...社長も、社長も犯罪者だった」
部長「え?」
副社長「全国のヤクザと手を組み、ライバル会社の幹部を恐喝。さらに自身は資金の洗浄を頼んで、金儲け、さらにさらに脱税もしていた。ヤクザと手を組んでいたってことは、誰でも一声で東京湾に沈めることだってできるわけだ、何人殺していたか私にはわからん」
OL「弁償できないんだったらなんか別のことして返してよ」
ヒーロー「えー?別のことー?じゃあ...1日だけ何でも言う事聞いてあげる」
OL「は?それの何が嬉しいわけ?私に得ある?」
部長「そ、そんな...社長は、我が社は汚れた社会を生きていたというのですか、副社長ォ...そんなの、そんなのまるで社会の悪者じゃないですかァ!」
副社長「そうだ。社長もそう言っていた。」
課長「なぜそれをいま言ったんです?副社長」
ヒーロー「ヒーローを1日好きできるとかなかなかないよ?今だけの特別体験。」
OL「マァそうだけど...」
ヒーロー「さらにあと10秒以内に決定された方にはAmazonギフトカード3000円分もついちゃう」
OL「えー?」
ヒーロー「さぁカウント始まるよ。10,9,8,7...」
副社長「社長がようやく死んだいま、私は解放されたからだ。ついにあの恐怖から解放された」
部長「体が、体が震えていますよ副社長ォ」
課長「うれしい、うれしいんですね、副社長ォ」
OL「わかぁーったぁ。やるやる、それでいいから」
ヒーロー「よっしゃぁー」
OL「じゃーひとまずあの怪獣倒して。うるさくて何にもできない」
ヒーロー「あれね、おっけーおっけー。」
社長「た、助けてけろ〜」
副社長「そ、その声は!」
部長「社長だ!」
課長「怪獣に捕まえられている!」
副社長「生きていたのか...!」
部長「だがもうすぐで怪獣に食べられますね社長」
課長「結局はそういう運命だったのかもしれませんねあの人は」
副社長「さぁ、怪獣よ。はやく食べるのだ」
ヒーロー「あ、アマギフ、はい」
OL「ありがと」
ヒーロー、怪獣を一撃で倒す。飛び散る肉片。唖然とする副社長たち。社長は落ちるが木がクッションとなり、助かる
社長「は、はは!生き残ったぞ!!!ワシは!ワシはやはりついておる!はは!はははは!!!」
課長「そんな...」
警察が来る
ヒーロー「あ、警察じゃん。やば。」
OL「さっき呼んだのが来たんだね」
ヒーロー「さっさとずらかろ、つかまってて」
ヒーロー、OLをお姫様抱っこしてとんでいく
副社長「く...ぐ...」
部長「副社長ォ...」
副社長、声にならない声をあげる
衝撃音。
課長「...なんだあれは...!」
部長「大きな角に長いしっぽ...!」
副社長「新たな怪獣だ...!」
怪獣はまっすぐこちらへ向かってくる。そう見えた。
旅館に客が来る、女将が対応する。
女将「お帰りなさいませ」
客「あぁ」
女将「当旅館では1階にて天然の温泉などご利用できますゆえ、ぜひお疲れを癒していただくのがよろしいかと」
客「カップラーメン。」
女将「え?」
客「カップラーメンある?」
女将「カップラーメン...ですか。当旅館ではそういったものは取り扱ってございません...」
客「取り扱ってない。そうですか、でもね女将さん。こういう時ってたとえここに置いてなくても、ササッと買いに行かせて、笑顔で提供するのが、本当の"おもてなし"ってやつなんじゃないのかい?僕はね、そういう気持ちよさがあるって評判だったから、ここに来たんだよ。このままじゃあ、ここの評判を落とす結果になるよ、女将さん。」
女将「左様でございますか...では少々お待ちください」
女将、なにやら部下に耳打ちをする
女将「ただいま買いに行かせておりますゆえ、お客様は突き当たりを左に曲がった"ござぼりの部屋"へお進み下さい」
客「ござぼり?」
女将「くつろげるスペースということです」
客「はぁ...あのね、変な名前付けない方がいいと思いますよ。僕はいいけど、今の若者にはウケないと思うね。」
客、"ござぼりの部屋"へ
しばらくして
女将「お待たせいたしました。カップラーメンでございます。」
客「おっそいよ。待たせすぎ。気をつけてねー?」
女将「失礼いたしました」
客「あれ、ナニコレ、お湯入ってないじゃん」
女将「お客様には出来たてを食べていただきたく、今からお湯をお注ぎいたします。」
客「チッ。んだよ、いまから3分も待たなきゃいけないの?どんだけ待たさせるの、嫌なんだけど」
女将「(お湯を注ぎながら)でしたらお客様、3分間退屈しないように、余興をさせて頂いてもよろしいでしょうか」
客「おぉ!いいね、そういうのそういうの、おもてなしっていいねぇやっぱり」
女将、指パッチン
襖が全て開く、そこは広すぎるスペース。そこは襖で壁ができていたからこそ部屋であったが、すべてが開くと四辺を囲む壁が見えない程広い大きなひと部屋となった。
客、驚いている
女将「鬼ごっこです。さぁ、私を捕まえないと食べられませんよ!」
そう言って女将はカップラーメンを持って走り出す。呆気にとられている客をよそに、女将は走り出す。思いのほか走るのが速いので、客は焦って走り出す。
大人の心は邪。純粋な子ども心を思い出せ。
マチがバス停でバスを待っている。シチがやってくる
マチ「よお」
シチ「よ」
マチ「準備は万端かよ」
シチ「たりめーよ」
マチ「...見せてみろよ」
シチ「やーだよそんなん、取られるかもしれないだろ」
マチ「だれに、おれに?おいおい疑ってんのかよ」
シチ「今日のためにどんだけ準備してきたと思ってんだよ」
マチ「それはこっちも同じさ。おれが見せたら見せるか?」
シチ「...ぉお」
マチ、帽子をとる
シチ「おおぉ...けっこうやるな」
マチ「だろ」
シチ「...」
マチ「みせろよ。」
シチ「わーったよ!ホラ!」
シチ、帽子をとる
マチ「おまえのほうがあるんじゃん...」
シチ「いやいやいやいやお前の方があるっしょ!」
マチ「おいおいおい加減にしろよー」
シチ「いやいやいやいや!」
マチ「...楽しみだな、オイ」
シチ「今日で商店街破産させようぜ」
マチ「なぁ、なんでこの"わくわく祭"があるんだろうな」
シチ「そんなの...あるからあるんだよ」
マチ「この"わくわく祭"では金ではなく髪が支払いの手段になる...か、なんでったってこんなの作るのかな」
シチ「まあいいじゃねぇか、おかげで欲しかったものを買うためにこの日までにみんな毛量を増やしたがる、それによって普段から育毛剤の需要が増え続ける。なんかみんな元気になっていいんじゃねぇか?」
マチ「そう思うんだったらいいんだろーけどさ...コレ、もともとバゲてる人にとってはとっても可哀想じゃないか?」
シチ「...まあある意味差別的ではあるよな」
マチ「ハゲ=金無しになるってわけだろ?今日1日とってもじゃないけど嫌な気持ちにならない訳にはいかないぜきっと」
シチ「じゃあなんでそういう人たちは抗議してこないわけよ」
マチ「そーいう人達はハズカシくて言えないの、カンタンだろ?ハゲで抗議するってのはそこはかとなくハズいことなの」
シチ「そーいうもんかなァ...」
マチ「ま、名誉ってのは金より大事ってわけさ」
シチ「今日ばっかりは金より髪だけどな」
バスが来る。2人はこの日のために貯めた髪を散らしにいく。2人が金より大切なものに身をもって気づくのはいつになるのだろうか。
終